ブチャラティ

差し伸べられた手の意味を、話していたら見逃しそうな小さな段差に気付いてからやっと理解した。咄嗟に掌を重ねてみたもののこんな些細な段差でエスコートを受けるだなんて、意識すれば気恥ずかしい。つい視線を落としてしまう私を、またジャッポネーゼはこれだからとからかわれてしまうだろうか。彼はいつだって流れるような動作で私をエスコートし、リードしてくれているが、その紳士的な態度にどぎまぎするばかりでなかなか慣れない。不安になって横目に様子を盗み見ると、穏やかに微笑み、彼も視線を落としていた。なんて甘く笑うのだろうか。
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