高橋浩汰

「ねえ浩汰、何かしたいことない?」

えっ、と目をまんまるに見開く浩汰にぎくりとする。言葉を選ばずに問い掛けてしまったけど、そういえば相手はあの浩汰だ。何を言われるか分かったものではない。

「いやほら、もうあと少しで今年も終わるからさ、やり残したことないかなって意味で…」

慌てて言葉を続けると浩汰は少し考えるように視線を空へやり、それから何故だか正座をする。こわい。

「マッサージを、したいです」
「え? マッサージ?」

拍子抜けな返事で、なんだ、そんなこと、と言いたくなるが、浩汰は膝の上で拳を握って真剣な眼差しをわたしへ向けた。ただのマッサージ、だよね? それとも何かちがう…?

「……変なことしないよね」
「! してもいいならしますっ」

バシッと叩くと、いたぁ、と情けない声を出しつつちょっと嬉しそうなのが気持ち悪い。マッサージくらいなら別にすればいいのに。わたしは浩汰に背を向け、肩に触れやすいように背を伸ばしてあげる。

「ほら、はい。してもいいよ、マッサージ」

浩汰は意外と器用なもので、何をやらせても大抵のことは何でもできる。マッサージだってもしかしたら結構上手なのかもしれない。それに、変な意味じゃなくて浩汰に触られるの、嫌いじゃないし…。わたしの心臓が少し早くなって期待が高まってきているというのに、浩汰はわたしに触れてこない。疑問に思って後ろを振り向くと、浩汰はごそごそと棚から瓶を取り出している。

「浩汰? …何してるの?」
「マッサージの用意だよ。今日はこのアロマオイルを使おう! ベッドにタオルを敷くから服脱いでもらえる?」

ああ、なるほど、そっちのマッサージ…。キラキラと目を輝かせて浩汰がテキパキとバスタオルを敷いていった。このはしゃぎよう、今更嫌だとも言えない。まあ、今日は掃除も頑張ったし、変なことしないならちょっとくらい付き合ってあげてもいいよね。

「電気消してね」
「えっ、それじゃ見えな…」
「消すの」
「はい…」
「変なことしたら怒るから」
「はい!」

釘を刺してから服を脱いでいく。浩汰の考えていることは常に分からないけど、今年最後の彼氏のワガママを聞くために、わたしはベッドに横になった。今年も一年、いい彼女だったなあ、わたし。

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この後、触られているうちに我慢できなくなる夢主ちゃんと、その甘い声に誘われてえっちしちゃう高橋浩汰が想像できますね。我慢できなくなっちゃったの? おれの手、気持ちよかった? どこ触られたくなっちゃったの? と今年最後のえっちでもしつこうるさいです。
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