ももちゃん

ももちゃんはサークル内でかなりモテている。その為、不定期に行われる飲み会では隣の席を狙う女の子達ばかりだ。だけどももちゃんは気まぐれだからそんな好意を感じ取っていても適度に距離を保っていたり、かと思えばサービスしていたり。わたしはももちゃんと一晩しか関係を持っていないけど、それ以降も続く女の子もやっぱりいるのかな。

「ピッチャー生頼んだ人ー?」

そんなことを考えていたらももちゃんがピッチャーを片手にわたしのテーブルへ現れる。目の前の先輩が「俺らが頼んだ」と言うと、じゃあお注ぎしますとわたしの隣へストンと座った。基本的には女の子に囲まれているイメージが強いけど、ももちゃんは男の先輩にも人懐こく笑う。女の子に好かれているだけであって自ら進んで女の子と接したいわけじゃないみたいに。

「あれ、飲んでる?」

グラスが空かないわたしを、ふとももちゃんが覗き込む。あまりの近さに一瞬にして顔が真っ赤になるが、気づいていないのか、それとも気づかないふりをしているのか、ももちゃんはにこりと微笑むだけでそれ以上何も言わなかった。それが逆に恥ずかしくて、誤魔化すためにお酒を呷る。やっと空いたグラスをおずおずとももちゃんに差し出した。

「わたしにもお代わり、いい?」
「お、いいねぇ。隣でたくさん飲んでもらえると俺も飲みやすいよ」

ビールを注ぎながらももちゃんが笑う。そっか、たくさん飲んでたらももちゃんが隣に居てくれるんだ。ビールがずば抜けて好きというわけではないのに、そう言われるだけでこのピッチャーを飲み干せるほど盛り上がっちゃう。もう一度お代わりを頼むと、「そんなに俺のが飲みたいの?」と小さく笑われた。ももちゃんが注いでくれるからだよ。可愛い八重歯がチラッと見えて、あぁ、ももちゃんに欲情しそう。ぽーっと見つめているとももちゃんは手元のグラス一気に流し込み、わたしのショルダーバッグを自分の肩に掛ける。

「飲み過ぎ。流石に俺が煽り過ぎたし、送ってくよ」

そんなことないのに。でもふたりきりになれるのが嬉しくてこくんと頷いた。ももちゃんが誘導してくれるから一生懸命後をついていく。ももちゃんが飲ませてくれるならわたしいくらでも飲むから、だから、ももちゃんともう一度。




「あ、ぇ…っ?」

後ろから抱き締められながら聞こえる息遣い。汗ばんだ肌が重なり、わたしの中で熱が出入りしている。慌てて身体を起こそうとすると、より力強く抱き締められた。

「あれ、もしかして意識飛んでた?」

ももちゃんの声。
振り向くと、少し猫目のももちゃんがわたしを心配そうに見つめている。見渡すとそこは自分の部屋で、きっとももちゃんが送ってきてくれたのを酔ったわたしが誘惑したのではないかと予想する。恥ずかしい。それでも、ももちゃんとまたこうして関係を持てたのが嬉しくて涙が出そうだ。

「もも、ちゃ…、」
「なんだ、結構飲める人かと思ってたけど案外弱いタイプか。覚えてない子を抱いても面白くないんだよね」
「っ、んひ」
「まぁ、たまにはいいか、べつに」

ぐ、ぐ、と後ろから動かれる。内壁がとろとろになっているのが自分でも分かり、少しでも揺さぶられると膣が締まってどうしようもない。ももちゃんを感じたくてはしたないわたしが必死におしゃぶりを繰り返す。ももちゃんがわたしの身体を少しだけ起こさせた。

「あんた俺に惚れてるっぽいし、もう少し善がらせてやろっか」
「え…? な、なに、」
「俺が欲しくて子宮下げちゃうエロい女を、特別に可愛がってやんの」

ももちゃんに背を向けながら上に座らされて何が何だか分からなかったけど、ぐ、と熱を押し付けられて息を飲んだ。奥に当たるだけで内臓が持ち上げられるような感覚。数ヶ月前に初めてももちゃんに犯された感覚が甦ってくる。

「や、やだ…、」
「まだ動いてないじゃん」

笑うももちゃんがわたしの腰を掴む。先っぽがわたしの弱いところを容赦なく抉り、とん、とん、と腰使いを開始するももちゃんに絶叫した。内腿がひくひくと痙攣を起こし、絶頂なんてあっという間。

「あ、あぁっ!だめぇっ!」
「すっ…げー締め付け…、もうイッたの? えろ」
「あん、っ、あ、あぁあ…っ、あ、あぁっ!」

僅かな振動でも耐えがたいのに、そんなに腰を遣われたら。脳髄まで快感で貫かれる。全身が性感帯にでもなってしまったかのように、びりびりと強すぎるそれに腰を捩った。全身から汗が吹き出し、ももちゃんに泣きながら懇願する。

「おねがっ、そこ、そこぉっ、やめてえぇ…っ」
「何で? イッてんでしょ?」
「おかし、く、なるぅ…っ」
「ふは、漏らすまでここだけ苛めてやろうか?」

背を反らしてもももちゃんが腕を掴んでくるので逃げられない。気持ちよすぎて唾液を垂らしながら舌を突き出して酸素を貪った。そこへ、更に追い打ちをかけるようにももちゃんがわたしのクリトリスを指で撫で上げる。

「ああぁああ……っ!!!!」

真っ白な厭らしい汁がどろどろと溢れてきて、それをクリトリスへ塗られるだけで悶え狂った。ぬめる指で優しく撫でる、その単調な動作がいかにわたしを苦しめるか。性交渉の為だけにあるようなクリトリスを小刻みに刺激され、それにより更に締めてしまう膣内を楽しむようにももちゃんは奥を抉り続ける。女の官能を引き出す、いやらしくて巧妙な愛撫に酔いしれるなんて可愛い表現ではなく泣き崩れて快感に耐えていた。気持ちよすぎて、死ぬかもしれない。

「あんたさ、次はあんま飲み過ぎない方がいいよ。ちょっとは抵抗されないと燃えないから」

耳にキスしてくるももちゃんの声も、自分の喘ぎで掻き消されて聞こえなかった。絶頂を迎えてまた絶頂。繰り返される痙攣に全身をびくんびくんと跳ねさせ、ももちゃんはそれを押さえ付けてやっと熱を吐き出した。
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