愁平くん
「愁平くぅん…」
甘えた声色に愁平くんは片眉をぴくりと反応させました。この甘ったるい媚びた声を、どういうときに遣うものかを分かっているからです。
「…今日はシないよ」
「なんで…? 今日、もう、すぐ挿れてもいいよ…? もうここ、用意してあるのに…っ?」
「知らないよ、勝手に濡らしてるだけでしょ」
つーんとそっぽを向いてしまう愁平くんは綺麗な手でシャーペンを握っていて、こんな休日に朝から真面目にお勉強です。朝から誘惑する方もどうかと思いますが。
「もう、3日もシてないよ…? 愁平くん、シたくないの? えっちしたら、もっとお勉強捗るかもよ…?」
「…」
甘い、甘い、脳を溶かしていくような声に、愁平くんは眉を寄せます。まるで発情期のような彼女には何を言っても仕方ないこと、それから、そんな彼女に弱いことを自分がよく分かっているからです。学校の課題は昨日の晩に済ませてありますが、それだけで満足して性に溺れているわけにはいかないのですが、彼女がこれではどうにもなりません。
「ほんと、煩いよね…」
「あ、う…っ、愁平くんっ、」
「もういいから来て、そのだめになった下着もさっさと脱ぎなよ」
愁平くんを求めてぐっしょり濡れたショーツを呆れ顔で眺めながらも、満更ではない様子。愁平くんもこのおバカでえっちな彼女が大好きなのです。嬉しくて目をキラキラさせる彼女を、愁平くんはやや強引に抱き寄せるのでした。
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -