ももちゃん
ももちゃんとはこれで二度目だ。
ギッ、とスプリングが軋み、ももちゃんの熱が宛てがわれる。舌で、指で、とろとろにされたそこは熱を欲してぱくぱくと開閉を繰り返していた。その熟れた内壁へ、先端が埋まる。前回はこの辺から記憶が曖昧で、翌朝には酷い倦怠感と嗄声が残り、ももちゃんは隣に居なかった。アルコールも手伝い、意識が飛ぶほど善がり狂って欲を満たすだけの行為をしてしまったのも事実だけど、ああまでなることはそうそうない。ももちゃんから与えられる過度な快楽を味わってしまうと、もう抜けられないのだ。

「あ、う…っ、ももちゃ…っ」

手を伸ばすと口端を歪めたももちゃんがわたしをじっと見下ろす。焦らすように入り口に熱を擦り付け、蜜をたっぷりと自身に馴染ませるように。

「期待してる?」

ももちゃんのつり目が細められ、途端に幼い印象になる。やや童顔のももちゃんから出るこの色気のギャップ。ぐぐ…、と熱が内壁を押し割り、固いそれに内側から開かれる感覚に唇を噛んだ。

「もも、ちゃ…っ」
「気持ちよくされたいですって顔されるとさ、俺優しいから、応えてあげたくなるんだよね。あんたが涎垂らすほど啼かせてやろっか」

年下にこんな扱いを受けても膣内を締めてしまう。気持ちよくされたい。前みたいに、ももちゃんのでたくさん気持ちよくなりたい。その大きな掌で腰を掴まれて、奥まで力強く突き上げられて、弱いところを何度も擦られて、はしたなく喘いで、脚を担がれて恥ずかしい格好のまま、深い深い絶頂を味わって、それで。想像だけで膣から蜜が溢れ出す。きゅんきゅんと熱を締め付けると「やっぱり期待してんじゃん」とももちゃんが笑った。奥まで到達した先端がわたしの子宮の位置を確認するように、ぐっと腰を押し付けられる。そのまま暫く動かない。

「ももちゃ…ん」
「ん?」
「うご、かないの…?」
「んー?」

に、と口許を伸ばすけど答えにはなっていない。ももちゃんはわたしの髪を撫で、頬をなぞり、それからわたしのお腹をするすると撫でる。今からここを刺激するのだと宣告されているように、両手で肌表面を優しく優しく愛撫された。僅かな刺激も堪らず中を締め付けると、ももちゃんは漸く腰を動かし、中から熱を引き抜いていく。

「っ、ん、」

ゆっくり、気遣うように。とん…、とん…、と緩やかな腰遣いは一先ずわたしの中を味わうように、奥まで入ってくることなく内壁を刺激する。それでも、ああ、熱が上がってしまうほどに気持ちいい。わたしで興奮してくれているのだと勘違いするほどに固く反り勃ったももちゃんの熱がわたしの中を犯していく。早く、早く奥に…、もっと奥に欲しい。

「も、ももちゃぁん……っ」
「もう愚図るのかよ、せっかちだなあ。ま、あんた挿れる前から期待でだらだら濡らしてたもんな、あんまり焦らしたら意地悪? 俺焦らしまくって虐めんのも結構好きだけどね」

にやりと笑うももちゃんの顔は確かに幼いのに、ここに入ってる熱が、わたしの中にいるももちゃんが、わたしを完全に女にさせる。ぐっと腰を押し付けられて奥まで挿れられると、更にそこを押し潰すように脚を開かれながらぐぐっと刺激された。

「っ、ああぁあ……!!!!」

この快感を待っていたはずなのに、想像以上の気持ちよさに絶叫してしまう。これ、これが欲しかった、ここを押し潰されると何も考えられなくなる。

「そこっ、だめえっ」
「は?」

だめじゃないのに、自分から欲しがったのに、いざ刺激されるとつい嫌がってしまう。大きな快楽への恐怖なのか、最後の理性なのか。ももちゃんは更に腰を押し付け、わたしの逃げそうな腰を両手でひしと掴んで離さない。ぐりぐりと先端を奥に押し付ける。

「何で? あんたが焦れてるからアててやってんだよ、だめなわけないじゃん」

たん、たん、腰を打ち付けるスピードが上がってくる。押し潰されるだけも気持ちいいけど、ここを目掛けて腰を振られるのだって気持ちいい。突かれる度に腰が跳ね上がり、はしたない声が止まらない。ああ、ああ、気持ちいい。喉が大きく反ってしまう。

「だ、だめ、ぇ、え……っ、あっ、あぁっ、ももちゃっ、そこおぉ…っ」
「あんたここ好きじゃん、遠慮すんなよ」

弱点を何度も何度も突き上げられ、内腿を痙攣させて即絶頂。びくびくと震える膣内を堪能するように、ももちゃんはぺろりと舌舐めずりをして腰の動きを止めなかった。たんたん、たんたん。中から溢れる濃厚な蜜が、腰を打ち付けられる度に溢れてくる。

「あぁっ、あ、ももちゃんっ、いったんやめてえっ!」
「はは、すっげー顔。気持ちよくなってきただろ」
「はあぁっ、ああっ、だめぇっ!」

気持ちよすぎて腰を反らすわたしを逃がさないように熱を奥まで押し込んでぐりぐりと先端で刺激してくる。そこ、だめだって言ってるのに。気持ちいいところばっかり集中的にされると、もう、頭が、わけわかんない。また大袈裟に腰が持ち上がって絶頂を味わった。それでもももちゃんは腰を止めない。それに、ももちゃんはイかない。

「ああぁあ゛、はあ゛っ!」
「ふは、絶叫。えっろいな」

だめだめ、だめ、だめ!
抵抗したくてもできないし、言葉も何も出てこなかった。気持ちよくてどうしようもない。一突きされただけで気持ちいい場所を連続でこうも虐められると頭がおかしくなる。目の前が真っ白になり、自分の声すら遠退いていった。あぁ、気持ちいい。全身の血が沸騰している。

「……あれ、おい? 気絶した?」

遠退く意識の中、面倒臭そうなももちゃんの舌打ちがひとつ、小さく聞こえた。
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