ブチャラティ
「愛しているのは嘘じゃあない。だが、付き合えないんだ。解ってくれ」
彼とは決して将来を誓い合えない。覚悟は出来ているのに彼は私を手元に置くことすら拒むのだ。こんなに愛し合っていても、彼は私だけを生かそうとする。私を生かすなら貴方も生きないと、貴方が死ぬなら私も死なないと。そう思うのは私だけだというのだ。
「…残酷な人ね」
「あぁ」
表情一つ変えずに即答だ。心から愛しているのが伝わらないのだろうか。彼は私をそれほど愛していないのだろうか。どちらもノーだ。私達は深く愛し合い、互いを思い遣り、そして意見が分かれる。異なる価値観で互いを愛し抜こうとしているだけなのだと頭では理解しているはずなのに、どうしても彼から身を引くことができない。
私の生きる意味なんて、貴方の隣にしかないのに。
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