「ペルセフォネ様♪」 お風呂から上がったコレットは廊下を歩いているとばったりとチェシャに会った。 「貴方は確か…」 アテナの聖域に来た時に馬車を率いてきた少年だとコレットは思い出した。 「俺チェシャっていいます。名前、覚えてて下さいねペルセフォネ様。」 「はい。チェシャ…ですね」 「…!」 笑って言うと何故かチェシャが赤くなる。 何か変な事を言ったのかとコレットは思い首を傾げたがそうではないらしい。 「え、えーと…あ、そうだっ!!ペルセフォネ様、ハーデス様のところには行かれないんですか?俺、パンドラ様から案内役を仰せつかってるんですよっ!ペルセフォネ様がハーデス様に会いたい時はお前が案内しろって!」 「ふふっ、私もそのようにしろって言われています。…チェシャ、案内してくれますか?」 「まっかせて下さい!泥船に乗った気分でいてください」 (ど、泥船…) すぐに沈みそうだ。 だが胸を張って得意げに言っている彼には言えなかった。 . [mokuji] [しおりを挟む] |