赤い花




「アローン…あの神父様の言葉、信じない方がいいと思う。」


目線を神父達が去った扉に見向けたまま、コレットは険しい顔で言った。


「コレット…?」


「なにか…なにか嫌な予感がするの、それに北の山は危ないって聞いことがある」



「大丈夫だよ」


スッとコレットの手を拾うと優しく握りしめる。


「神父様は僕の為に真実の色を教えてくださったんだ。それに北の山は最近は道がつくってあるから怪我はしないよ」


「…うん」


コレットは複雑な表情で小さく頷いた。



心配性のところは多分、サーシャ以上だろうがアローンはその気持ちが嬉しかった。


「そうだコレット、街に行かないかい?あそこに変わったパンがあるみたいなんだ」


「でも絵は…?」


「今日はもうおしまい。…付き合ってくれたお礼がしたいんだ。行こう?」


「うんっ」


アローンは優しく笑うと握りしめていたコレットの手を引いて歩き出した。





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