「コレットちゃん今日も綺麗ねぇ」 「そんなことないですよ!それに、おば様の方がとっても綺麗ですよ」 「おんやぁまあー嬉しいことを言ってくれるねぇー!このパン、オマケしておくわね」 「わぁ!ありがとう」 コレットは嬉しそうに紙袋を受け取った。 だが、この紙袋の他にもシスターに頼まれた材料や食料が入った紙袋がある。 「でも大丈夫かい?ウチの旦那に頼んで孤児院まで運んでってもらおうか?」 「い…、いえ、なんとかしま、すっ!」 細い腕を最大限にまで伸ばし、紙袋を抱える。 孤児院には沢山の子供達がいる。 だからその人数分を量にするとこのぐらいは当たり前だろうが…。 (やっぱりテンマに手伝ってもらえば良かったかな…?) (いやっ!でもテンマとケンカしちゃったし、これは私の仕事だから!)と直ぐに首を振りコレットは歩き出した。 孤児院まで長い。だが、なんとかしてたどり着かなければいけない。 坂道をゆっくり下ろうとした時、 「わ…っ…!!」 小石に躓きそうになり、身体がバランスを崩して揺らいだ。 そして溢れんばかりに食料が入っている紙袋が地面に落ちそうになる。 「ー――っ!!」 地面に倒れそうになり、コレットは咄嗟に目を瞑った。 (ー――っ!!) その時、誰かが腰に手を回し、紙袋ごと支えた。 「あっぶねー」 「!、テンマっ!」 目を開き、見上げるとテンマがコレットを安堵の息を吐いていた。 「ったく、黙ってついてくればやっぱし転けるじゃねぇか」 「あ、あはは…」 「危なっかしいから全部持ってやるよ。」 テンマは憎めない笑顔でそう言うと軽々しく荷物を抱える。 「ありがとう…テンマ」 「お、おう。友達が困った時に手を差し伸べるのは当たり前だからな」 コレットはお礼を言うとテンマは照れているのか頬を赤くさせた。 . [mokuji] [しおりを挟む] |