春の歌




「んっ……」


コレットはうっすらと瞼を開いた。


焦点の合わない目に最初に映ったのは薄暗い部屋と、碧く澄んだ瞳で見つめるアローンがいた。


「おはようコレット」



「…!?、え、あ、お…はよう…」


少しびっくりしたコレットは戸惑いながらも答える。


(い……いつからいたのかな…?)


分からないが寝顔を見られてしまった事は確かだ。


「コレット、今日は案内したい所があるんだ」




「案内したい…場所…?」


小首を傾げるコレットにアローンはにこりと表情を崩して手を差し伸べる。



コレットもまた、自然とアローンの手を取っていた。






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