「コレット、シスター達が今日は忙しいみたいなんだ。だから代わりに買い物して欲しいってさ。ホラ、買って欲しい材料の書いた紙。」 「あ、うん。わかった」 (だからいつも聴こえるシスター達の声がしないんだ…。それにテンマも怒られてないし) 「ふふっ」 「…おい、なに笑ってんだよ」 「えっ?ううん。なんでもないよ。ちょっと思い出し笑いしちゃっただけ」 「…ふーん。ま、いいけどさ。」 訝しげな顔をしているテンマから紙を貰った。 「どうする?今から行くか?オレ、荷物持つけど」 「ありがとう。でも大丈夫だよ!テンマだって任されている仕事あるでしょう?」 「いや、あるけど…それはお前のが終わってからでも出来るからな」 テンマはなんだかんだ言っても優しいし、頼りになる。…相手を力でねじ伏せるのは玉にキズだけど。 「でも、これくらいだったら私ひとりでも大丈夫だから。」 「そうか?ならいいんだけどさ…(でも、ちょっとはオレを頼ってくれたって)」 「テンマ…?」 「いや、なんでもねぇ。…でも気をつけろよ?コレットはドジだからすぐに転けるしな」 「そ、そんなことないもん!!!テンマのバカ!」 「ぶっ!」 怒ったコレットは枕を手にとるとテンマに向けて投げつける。 彼は弧を描いて背中から地面に落ちた。 「テンマなんかもう知らない!」 不機嫌になったコレットは「ふん、」と鼻を鳴らし、部屋を出て行った。 . [mokuji] [しおりを挟む] |