約束





「テンマっ…!!」


コレットは声を上げる。


「コレット…!良かった!!無事だったんだな!!」


テンマは笑顔を向ける。


久しぶりに見るテンマの笑顔だが何も変わっていない昔のままだ。


「やっぱり生きてたんだね…テンマ」


「おうアローン!生きて返ってきてやったぜ!!」


「!、その数珠は…」


「ああそうさ!お前ら冥闘士軍の不死を封じる数珠だ」


テンマは長い数珠を突き出す。
「待ってろコレット!!アローンをぶっ飛ばしてすぐにお前の許に行くからな!」


「テンマッ…」


「流石だねテンマ。」


コレットの言葉を腕で制止し、アローンは婉然と笑う。


「冥界で再会した後、君は木戀子にたどり着いてその数珠を作り上げたのか…」


「アスミタ…乙女座の聖闘士が命をかけて託したんだ。この数珠も世界も。…だけどよ」


数珠を強く握りしめテンマは叫んだ。


「俺がここまで戦ってこれたのは俺ら4人がいつかそろうって約束があったからだ!!でも望んだのはこんな情景じゃねぇ!!アローンお前コレットが悲しんでるのが分かっててこんな事をしてんのかよ!?」


「テン、マ…」


コレットの瞳が揺らぎ、ポロポロと涙が零れ落ちる。


その姿を見た聖闘士達は一同に驚き、目を見開いた。




「知ってたよ。コレットは誰よりも優しいからね。

…だけど仕方ないんだ。これが聖戦(僕の見つけた答え)なんだから」



アローンは静かに言葉を紡ぐ。



「もともと僕は冥闘士らを復活させるのは気が進まなかった。君の数珠が彼らの不死を封じるならそれでいい。死は平等な安らぎだ。聖闘士にも冥闘士にもサーシャ、テンマ、君らにも全世界のすべてに死の安らぎを…それこそが僕の使命なんだ」


「黙れアローン!!」


テンマは地を蹴り上げてアローンに拳を向けた。


「お前の口からそんな言葉聞きたくねぇんだよ!!」


テンマの拳に闘気が宿る。


「残念だよテンマ。」


「…!?」


突然テンマの身体が動かなくなる。



「君を前みたいに輝かしく思えないよ」


アローンは下げていた剣をテンマに突き刺そうとした。


(このままじゃテンマがっ…!!!)


「…っ、アローンやめてぇえ!!」


コレットはアローンに抱きつき、声を上げた。



その刹那、地面に文字が浮かび上がり光を放った。







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