「ならばもう容赦はせん…テンマの親友アローンがもう存在しないのならば…テンマの仇とらせてもらう!!」


拳を丸めて勢いよく地を蹴った童虎。


だが瞬時に現れた黒い熱風に気づき、すぐさま身体を捻らせて避けた。


(今のは何だ…!!)


「これ以上ハーデス様の周りをうろちょろすることは許さん。天暴星ベヌウの輝火がな」


「…よせ輝火」


「、アローン様」



「目的は果たした。余は無駄な争いを好まぬ。…それにコレットの様子が気になるからな」


「コレットとはテンマが先ほど言っておったあの少女の事か!?彼女がなぜお前の許にいる!!?」


「解らぬか?コレットは…余の妻だ」


「な…なんじゃと!?ではあの少女は…」


「行くぞ輝火」


「ま、待てハーデス!!」

「駄目だ童虎!」


その時、現れたシオンが童虎の腕を掴む。


「なぜ止めるシオン!!」


「早まるな童虎。我々には成すべきことがある。今はまだ雌雄を決する時ではない。」


「…、わかった。シオンすまんな」


(まさか向こうにペルセフォネ様がいるとは…誤算じゃった)




『故郷の死』



『親友の死』


『アローンという人間の終焉』


アローンは酷笑する。




聖戦はまだ…始まったばかりだ。








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