聖戦の始まり




「…ええ」


手に汗が滲むほど私は強く杖を握りしめた。


「あいつらは…アローンやコレットは無事なんだろうか」


テンマの悔しい気持ちが伝わってくる。


私も何とかしてあの村を守りたい…だけど、


「――っ!!」


影の気配を感じ、ハッと空を仰ぐと月が月蝕を始めていた。



不気味な風の音が耳元にざわめく。


(これは………)


さっきまで何ともなかった月が…なぜ……?


「サーシャ…これは!?」


「ハーデスが…目覚めました」



「な、なんだって!?」



「…聖戦の始まりです!!」



あぁ…ペルセフォネ…



貴女は何処にいるのです






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