回廊







だが、槍は寸前で止まり、アローンは笑う。


「つまらん真似を…」


そう言葉を吐き捨てたアローンは槍を握りしめた。


「かかったなハーデス!!待ってたのはこの間よ!!」


シオンはユズリハとテンマの腕を持ち上げ、空間転移をするため上空に跳ぶ。


「なっ…!待てシオン!!童虎は…っ!」


光の粒子の輝きが強くなってゆく。


「いやだ!!童虎…!!」


手を伸ばしたが声は届かず、空間が遮断された。


そして再び開かれた視界の先に映ったのは外の景色だった。



(外…)


「嘘だよな…?」


テンマの言葉にシオンの顔が歪む。



(なんでだよ…)



童虎…



童虎ー−!!


視界が涙で滲んでゆき、テンマは泣き叫んだ。






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