「アローン、今日は教会で絵を描きにいくの?」 画板を片手に持って出ていこうとするアローンにコレットは話し掛けた。 「うん。今日は神父様が時間を作ってくれたんだ」 「そっかぁ!私も一緒に行ってもいい?」 「いいけど…きっとコレットにとっては退屈だよ?」 「退屈じゃないよ。だってアローンの絵、大好きだもの」 「!!、あ、ありがとう…」 屈託のないコレットの笑顔にアローンの頬はしっとりとした薔薇色に変わる。 彼女は素直だからこそ自分は嬉しいんだと思う。 この気持ちは言葉にするとむず痒いがコレットと話すと胸が温かくなる。 「行こうか。コレット」 「うんっ!」 何年経ったらコレットに僕の気持ちを話せるかな? サーシャもテンマも孤児院の子でさえ僕の気持ちを気付かれている。だけど本人は鈍感なのかわかっていない。 でもいつか…いつか話せる時がきたら… . [mokuji] [しおりを挟む] |