繋いだ手だけが暖かい、というよりは熱いぐらいで。
卒業してから半年以上もすぎているのに、まだ慣れない。
いや、慣れることなんてないんだろうな。
彼女の顔を見るだけで動悸が止まらなくなるのだから。


「ねぇ、健太くん」
店の方を見ていた彼女がこっちを向く。
「どうしたの?」
そう声をかければにっこり笑って指を差した。
そこには小さなクリスマスツリーとかわいらしいオーナメント。
ハロウィンが終わってしばらく店はもうクリスマス一色に染まっているらしい。
「かわいいね」
「うん、そうだね」


「ね、クリスマスどこにいこうか?」
その言葉に一瞬固まる。
そうか、今年は彼女と一緒に過ごせるのか。
はば学に通っていた頃はクリスマスパーティーがあって、俺は彼女が友達と楽しそうにしている姿を見つめているだけだった。
その上去年は自分の意気地のなさが原因で彼女の事を避けてしまっていたから・・・・・・。


「あ、なにか予定でもあった?」
「いっいや、そんなのないよ!」
慌てて首を横に振る。
すると安心したように彼女は笑った。
「どこか行きたいところでもあるの?」
頷いて手をぎゅっと握られた。
「イルミネーション見に行こうよ」
空中庭園とか行ってみたいな、なんてデートスポットの鉄板でなんだか照れてしまう。
こんなに幸せでいいんだろうか。
「いいね、俺も行きたい」
答えて手を握り返した。





(written by:ゆと/小鹿の空耳)

12/6のプレゼントは小鹿の空耳のゆと様からの小説です!

平スキーの皆様! 平スキーの皆様! お待たせいたしました大変キュンキュンする平×バンビです! こんなに幸せでいいと思います!



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