>> 故意に至る病



 季節は冬を迎え、外を吹き抜けるは枯葉と極寒の風という日曜日の午後。そんな外界の寒さを物ともせず、分厚いガラス窓と完璧な室内暖房に守られた藍沢家の書斎で、コトリとマグカップが音を立てた。

「はい、先生」
「いつもすまないな――いい香りだ」

 白く立ち上がる香りに知らず口角が上がる。傾けて口に含むとほろ苦く彼の好みを知った彼女のコーヒーの味がした。
 藍沢が一口、二口と飲む姿に安堵したのか、淹れた彼女もまた微笑み、自身のもつマグカップに両手を添えた。俺のと少し香りが違うのは、おそらくクリームと砂糖が混ざっているからだろう。

「原稿、進んでますか?」
「大方はな。ただ、ここの人物の心情だけが上手く表現できないんだ」
「心情、ですか?」

 大人気のまま幕を閉じた「初恋三部作」の書き手として、藍沢には若手小説家の中でも高い期待がかかっている。それ自体はありがたい事だが、必然的に編集部の要求も高まり、結果として普段から締め切りに追われる日々が続いていた。
 彼女も忙しいその実情を理解しているのか、こうして家に来てコーヒーを淹れた後、仕事の邪魔をしないよう隣のリビングで勝手に本を読む。そんな付き合いがしばらく続いており、だが穏やかな二人の時間も、お互いけして嫌いではなかった。

「そうだ。……まあ、もう少し書いてみることにするよ」
「はい。じゃあ、隣にいるので何かあったら言ってくださいね」

 高校時分からの慣れた様子で、仕事中の藍沢を元気づけては書斎を後にする。年下なのになぜああもそつがないのか。藍沢は疑問に思うと同時に、特殊な自分の生活リズムに合わせてくれる女性がいることに感謝して、再びパソコンへと向かい合った。






(とは言ったものの……)

 物分かりのいいふりをしてリビングに来たはいいものの、実はこの部屋の本棚にあるものはほとんど読破してしまっていた。ミステリー、恋愛小説、ジャンル問わず置かれたそれらはどれも面白かったが、新しいものが読みたくなるのも心情というもの。

(図書館で借りてくるか、買ってくれば良かったなー)

 本の角を指で倒しながら、端の本から表紙を確かめていく。一棚行き上げると一段下がって端から、としている内ある一冊の本で手が止まった。
 それはこの本棚には珍しく紙のカバーがかけられており、見たことのないものだ。

(ん、今日はこれにしよう)

 ふかふかしたソファに身を埋め、暖かく保たれた暖房の中、彼女はうきうきと一ページ目を開いた。


 彼女が手にした物語は恋愛小説だったらしく、端正な容姿ながらも人に心を開かない旧時代の文豪と、それに好かれてしまった小間使いの女性がメインのようだった。精緻な文章が時代を感じさせ、次々にページをめくる手が進む。
 やがて文豪がその秘めた思いを告白するシーンとなり、その姿にふと自分たちを重ねては苦笑する。

(あの時は驚いたなあ…)

 卒業式の教会。サイン会の後もう二度と会うことは無い、と諦めていた藍沢の姿が扉の向こうから現れた時、本当に夢かと思った。結果として彼女の思いは実を結んだが、今こうして一人で本を読んでいる自身の姿にすこしだけ溜息がもれる。
 別にこの時間が嫌だと言う訳ではない。彼にコーヒーをいれては一緒に飲み、時には二人で本を読む。それだけ。それが彼女にとって安心できる、大切な時間であることに間違いは無い。
 だが、本当はもっと藍沢に触れたい。髪に、手に、肌に。だが彼は彼女が年下なのを気にしているのか、なかなかそういう無理強いをしない。それはとても彼らしい行為でもあるが、その優しさが寂しいと言うのも事実だ。

「――うう、何考えてるの私」

 邪念を払い、本文に集中する。
 だが、手の中の物語は幸せに――といかず、気付けばヒロインに振られた主人公が何やら復讐の心持となっていた、――そして。

(……あれ)

 何やら舞台は夜に移り、薄暗い部屋のシーン。嫌な予感がする、と思いページをめくる。そこには今まで彼女が読んだことの無かった世界、いわゆる――官能小説、の世界だった。






 流れるように打ち込まれていたキーボード上の指が止まった。疲れたように眉間をつまむと、傍らにあったコーヒーを掴む。ほろ苦さが、撹拌された意識を繋ぎ止め、物語の世界から自分の思考が戻ってきたのを感じた。

(……だめだ)

 手がけた物語は順調に進んでいた。が、ある一点、主人公の心情だけが上手く描けないままだ。
 物事にひどく執着し、自制を知らない主人公。年齢設定が自身より若いというのもあるが、ある契機をもって物事への執着を失いかけた藍沢にはどうしても理解が出来ない人物。ましてや好ましい相手に嫌われるかも知れないレベルの意地悪や皮肉を言うなど、自分で書いておきながらなかなかややこしい性格のようだ。
 だがその積極的な性格が、逆にうらやましくもある。

 ちらと隣の部屋に続くドアを見る。扉の向こうには、いつものように座り込んで熱心に本を読む彼女がいるのだろう。
 付き合っておきながら二人で何をするでもなく、高校時分と同じように穏やかに過ごす。それはそれで非常に心地よい時間ではあったが、以前とは違い彼女を「女性として」見ている自分の自覚はあった。
 だが彼女が嫌がることはしたくない。勿論、何度かそうした行為に及んだことはあるが、彼女に負担をかける。そう思って今まで出来る限り自制してきたつもりだ。しかし、

(……何を考えているんだ俺は)

 行き詰った、と頭を振り椅子から立ち上がり伸びをする。気付けば時刻は夕方になっており、本が山と積まれた向こうの窓から薄橙の夕陽が暖かく差し込んでいた。
 飯にするか、と書斎を後にし彼女の待つリビングへと移動する。案の定大きなソファにその小さい体をすっぽり埋めて読書する彼女の姿があり、少しだけほっとした。
 だが、どうにも普段の様子と違う。


「――おい?」
「ひゃっ、うわ、は、いっ!」

 声をかけつつソファの隣に腰を下ろす。だが彼女は寄りつくどころか顔を真っ赤にして藍沢から離れた。何か怪しい。

「……何読んでるんだ?」
「あっ、ななななんでもないです!」
「……」

 ふーん、と半眼になり肘をつくと手の甲で顎を支える。注がれるその視線に耐えられなくなったのか、更に彼女が離れようとした一瞬、手にしていた文庫本を抜き取った。

「あ!」
「……なるほど、」

 慌てて取り返そうとする手を片腕でガードする。見慣れない本だと思っていたがどうも知人の作家がこの前来た時、いたずら半分で勝手に置いていったものらしい。でなければ彼女のいるこの部屋に置くはずがない――そんな内容だった。
 違うんです、という彼女の必死な抵抗をじゃれつく猫のようにいなしながら、もう一枚ページをめくる。なるほど監禁ものか、舞台は相手の男が嫌がる女性にあれこれと致すところで、恥ずかしい描写が直接に書かれていた。

「……君はこう言うのが好きなのか?」
「だから違います! 本棚にあって、普通の本だと思って、その、あれで」

 藍沢のジーンズに置いた手をきゅっと握りしめながら、頬を赤くしたまま反論する。別に読んでいたところでなんらやましい事はないのだが、それを否定する彼女の潔癖さに、逆に体の中心が疼いたのが分かった。
 普段そつなく穏やかな彼女。そんな彼女が、本一冊でこれだけ取り乱している。――もっと指摘したらどんな反応になるのだろう。もっといじめたら、どんな顔をするだろう。

「わかったわかった。……じゃあ、俺にも読んで教えてくれないか」
「な、だって、これ先生の本なんじゃ……」
「俺もまだ読んでないんだ。あと目が疲れてな。……普通の本なんだろ?」

 ちが、と続けようとする彼女の手首を掴んで引き寄せると、自身の足の間に座らせる。その体に軽く腕を回すと彼女に本を持たせ、続きを待った。
 彼女は何度か助けを求めるように藍沢の方を振り返っていたが、救援が望めない事を察すると仕方なく開いていたページを音読し始める。

「『……彼は彼女を抱き寄せると、その……に手を添わせた』」
「声が小さいな。聞こえないぞ」
「……『その乳房に、手を添わせた』」

 天使だ純粋だ、と情欲から切り離して見てきたはずの彼女の口から、次々に肉感的な描写が零れる。そのギャップがひどく煽情的で、藍沢は回していた腕をゆっくりと持ち上げ、緩やかな曲線を描くカットソーの膨らみに指を添わせた。

「せ、せんせ!?」
「いいから続けてくれ」

 剥き出しの首筋に藍沢の唇が落ちる。噛みつくようなその合間に服の上から胸を鷲掴まれ、柔く揉みあげる。その体温の熱さを感じながら、彼女は懸命に文字を追った。

「『執拗に愛撫すると、その先端は硬く尖り、』…ん、『彼女の意思に反し、て、過度に反応し、た』……やあっ…」

 彼女がそれを音読するたび文脈をなぞる様に藍沢の指が動く。いつしか服はめくれあがり、白い肌に直接大きな手が蠢いた。一旦首元までカットソーを引き上げ、その下から現れたブラジャーをカップごと引き下げる。
 ふるりと柔らかい塊がフリルの上にのっかり、その先には上向く乳首が見える。それを親指と人差し指の腹でこねるように摘むと、抱え込んでいた彼女の体がびくんと跳ねた。
 対してもう一方は完全にカップをずりおろしてやり、下から指をうずめるように掴む。そのうちそちらの人差し指も伸ばされ、くりくりと押しこむようにいじってきた。

「続きは?」
「……っん、『逃れようと体を捩る。しかし、男の指が肌蹴た襦袢の、合間に伸び、その奥にある、』……『花芽を剥いた』……っ、」
「なるほど」

 はあはあと息を荒く紡ぐ彼女の体をなおも抱き寄せ、右腕をその太ももの間にねじ込む。慌てて擦り寄せるが時は遅く、ジジ、と彼女のジーンズをくつろげる音の後に藍沢の指が差し込まれる。
 淡く茂ったそこを長い指が降り、大陰唇の下側にまで到達する。それ以上は、という彼女の願いもむなしく、チュクという水音と共に中指の腹が入口の内側を撫でた。

「――ッ、あ、」

 本を持つ手が緩み、バサリと彼女の腿に落ちる。それを藍沢がもう一方の手で拾い上げ、先程のページを片手で開いた。その間も指は内壁を傷つけないようじくりと奥に進み、柔らかく厚い肉を丹念になぞっていく。

「あ、や、…!」
「仕方ない、俺が代わりに読もう」

 藍沢の腕に自身の腕を伸ばしなんとか止めようとする彼女の努力も甲斐なく、その小さな体は縮こまるように快感を堪える。そんな彼女の様子を健気だ、と思いつつ藍沢は読み止まっていた続きを音読し始めた。

「『……もちろん、最初は嫌悪しか持ちえない行為だったが、いつしか自らの奥からどうしようもない熱が零れていることに彼女は気付いた。やがて男の余裕なき吐息を聞くたび、慈しむような思いさえ浮かんだ』」

 第二関節まで埋まった指が折り曲げられ、ぬとりと円を描く。合わせて入口の襞をこねまわすように、手の平で全体を愛撫した。チュヌ、と粘り気を持った何かが混ぜられる音が聞こえ、それが自分の体から発された事に彼女はおぼろげな意識の中、困惑する。
 まるで物語の通り。
 だが藍沢の低い声は更に続き、合わせて下腹部の熱も加速度的に高まっていく。

「『…男の肉棒が彼女の中を蹂躙する。先端から滴るほどの白い唾液を垂らしながら、その中を食いつくす激しさに、彼女は目の前が明滅する感覚に陥った』……君も、随分食らいついてるな」
「……ン、ンン、――」

 卑猥な単語を耳元で言われる恥ずかしさに、顔を俯かせる。そんな彼女の顎を、いつの間にか本を手放した藍沢の手が持ち上げ、上からかぶせるように口づけた。僅かに開いた口から舌を差し込み、角度を変えて何度も。噛みつかぬよう必死に応える彼女の姿に愛しさと――嗜虐心が煽られる。

「――! …んー! ぅんー!」

 口づけ息を継ぐ合間、ナカに入れていた指を増やし更に奥まで刺激する。塞がれた口で必死に声を上げ、抵抗する彼女だったが、彼は構わずその顎を掴んだまま。
 足と手をばたつかせる天使の羽をもぐように、柔肉の膣内をゆっくり何度も何度も抜き差しする。そして、最後抜いたかと思えば、その上側にあるクリトリスを親指で押しつぶした。それが契機となったのか、彼女の体は一瞬痙攣し、きゅううと指先が締まるのが分かった。

「――いったか、」

 もはや物語の力すら借りていない藍沢の言葉に彼女からの応答は無かった。なるほど、いじめたくなる気持ちとはこういうことか、と藍沢が反省と勉強の反復をしていた時、ふと彼女の手が藍沢の腕に乗せられた。

「――せんせ」
「どうした?」
「体の奥、おかしくて……」

 体を少しだけ傾け振り返る彼女。その頬は赤く、今なお息をするのも辛そうだ。だが切なげに開かれた唇、潤んだ目、そして匂い立つような色気。彼女の尻に当たる自分自身が熱く猛っているのに気付く。もう、限界だ。

「しらないぞ。この――」

 宵っ張り、と苦笑しながら乱れた衣服の彼女を抱え上げ、そのまま寝室に運ぶ。どさりとクイーンサイズのベッドに放り出されたかと思うと、藍沢の長身が上から覆いかぶさってきた。
 脱ぎかけの彼女の服もジーンズもはぎ取られ、彼もまたワイシャツを脱いだ。ジーンズだけになったその姿を下から見上げながら、普段の藍沢からは想像できない余裕のない姿に少しだけ笑う。

「先生、子どもみたい」
「悪かったな」

 むす、と不機嫌な顔になるとそのまま彼女の鎖骨に唇を落とす。舐めとるようなその動きで両手に収めた胸を、揉みしだいてはその谷間に降りていく。そのたび、剃り残しの跡がぞわぞわと彼女の肌を撫ぜ、そのくすぐったさに更に身を捩る。
 それが面白かったのか、藍沢はなおも彼女の体に顔を押し付け、ぐりぐりと甘えてくるように動いた。年上の男性と分かっていながら、その姿が可愛く思えてしまい、思わずその頭を抱きしめた。

「おい、どういうつもりだ?」
「だって先生、なんか可愛いから」
「君に言われると……なんだかな」

 不満をもらしつつも、されるがままに彼女の体にキスをする。二人分の体温が混じり合い、感触の違う肌が、腕が、組み合っては馴染んでいく。
 やがて藍沢は上体を起こすと、自らの前に手をかけた。見るのが恥ずかしくて目をそらしていると、彼女の腿の付け根あたりに一層熱いそれが触れた。奇妙な柔らかさと固さが混在しており、藍沢が姿勢を正すに合わせて彼女のそこに先端が移動する。

「痛かったら言ってくれ」

 腰を押さえつけられたかと思うと、少しだけ持ち上げられ次いで柔らかい先端が押しつけられた。十分に濡れていたためか、大きな雁首をこぷんと飲みこみ、ずちゅ、と気泡の立つ音が続く。
 腰を引こうにも強く掴む両手が邪魔をし、そのままにゅるにゅるとペニスが膣壁を走った。込み上げてくる気持ち悪さと共に、明らかに体温の違うそれが体の中心を突く快感に、声にならない息だけが口から洩れる。

「あ、……ん、はぁ……」

 やがて全部を収めた藍沢は長く息を吐き、そのままの体勢で彼女が落ちつくのを待った。正直今すぐにでも揺さぶってこねまわして、としたいのは山々だが、自分と違って小さい彼女の体が何よりも大切だ。
 やがて彼女の呼吸が戻ったのを確認しては、ゆっくりとそれを抜く。逃げるのを拒むように柔肉がペニスに絡みつき、ぎりぎりまで抜き取ると今度は再び奥にずぶずぶと入れていく。それを繰り返していくうち、彼女の腰は浮き始め、もっと、というように押しつけてくるまでになった。その積極性にやや驚きながらも、変わらず何度も何度も隙間を減らすように体を前後させる。

「せんせ、せんせぇ……!」
「どうした、きもちいいのか?」
「……ちが、ううん、」

 気持ちの良さに意識が混濁しているのか、虚ろになる彼女に意地悪にも問いかけてやる。何度も擦られたことで藍沢自身も膨れ上がっており、額に残る汗がシーツや彼女の髪に散った。
 蕩け切ってどろどろになった結合部からは彼女の愛液が零れ、それを指ですくい取っては繋ぎ目に塗りつけてやる。それに合わせて腰の角度を少しずつ変えると、彼女の下半身が痙攣するかの様に震えた。もう何度目か。きっと彼女自身にも分からなくなっているのだろう。

「――っ、はあ、……っ」

 絶妙に挿入する角度を変えては、腰を押し付ける。ゆっくりではあるが深くまで届くそのピストンに、藍沢の息も上がっていく。そして僅かに左に傾け、自身を押し込んだその瞬間、どうしようもない吐精感に襲われたかと思うと、彼女の中に白い唾液を吐きだした。しばらくその暖かさを味わうように彼女の腰を抱き寄せ、悪さをした子どもが反省するかのような顔で、はあと息を吐いた。





「……? あ、藍沢、せんせ、!?」
「お、起きられたか」
「おおおおはようございますって、……」

 下腹部に残る違和感でなにが起きたかは大体分かる……が、目覚めてすぐ隣に藍沢の顔があるのは衝撃だ。腕枕、ということらしいが。

「そういえば、お仕事よかったんですか?」
「ああ。君のおかげでようやく書けそうだからな」

 訳が分からない、という表情を浮かべる彼女に少しだけ微笑み、心の中でだけ言葉を付け足す。

(――意地悪する男の気持ちが分かったなんて言ったら、怒られそうだな)

 それ以上問い詰められぬよう、腕の中にいる天使を抱き寄せる。その髪に顔をうずめながら半ば寝言のように呟いた。

「なんでもない。――あたたかいな」
「せんせい?」

 天使だなんだと神聖視していた彼女を汚し、この手の中に押しとどめたのは他ならぬ藍沢自身。
 それでもこの暖かさが、今もなお彼女の存在を明らかにしてくれる。

「……この温もりを失うのが、怖い」
「……」

 そう思うのは、失ってしまった過去があるから。だが彼女はそっと藍沢の頬に手を伸ばし、シーツの中でくすりと笑った。

「私は、ここにいますから」
「……そうだな」

 再びぎゅっと彼女を抱きしめると、向こうも藍沢を抱き寄せるように懸命に腕をまわしてくる。もうすこし。もう少しだけこのままで。
 目が覚めたその時は、彼女にまたあのコーヒーを入れて貰おう、そんな事を思いながら藍沢は幼い子供のように目を閉じた。



(了)2012.01.07

ごめんこれ私書きながら終始「変態だー!!(AA略)」って叫んでましたそうですね私が変態です

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