>> 小ネタ


▼拍手レスで書いた小ネタをまとめてみました。完全に独断で取捨判断。コメントで振られて書いたり書かなかったり色々するので、きままにどうぞ。

▼コピペネタ・AAネタもあるので苦手な方は注意。以降自由に随時追加します。

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>拍手レスから
 コルダピアノ言葉攻め
 誕生日
 ルイズコピペ
 テルデジAA
 一発変換
 ハロウィン紺野
 修造コピペ
 シロスカパー
 おっぱいAA 
 赤城とシャダイ
 ニーナエンド
 ちゅっちゅコピペ 
 刑務琉夏少尉

日記から
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▼ぼっちゃまがコルダピアノ奏者に言葉攻めされる話



「へえ、先輩もピアノやってるんですね」
「僕とは同級か。じゃあ設楽でいいや」

 突然音楽室に現れた大柄な緑髪の生徒と、対照的に小柄で金髪の青年が値踏みするように設楽を見つめる。更にもう一人、ワインレッドの制服を着込んだ攻略できそうにない人物まで現れては、好き勝手にものを言い始めた。

「すみません、紅茶を準備したいのですが茶器は」
「……ここは学校だぞ!? 普通ないだろ!」
「…? 学校だからあるのですよ、むしろ学校以外のどこで淹れるというのですか」

 心の底からきょとんとされ、その表情に思わず苛立つ。だが更に先ほどの大柄な生徒が快活な笑顔を浮かべて、設楽のピアノに触れる。

「で、今日はどこで練習するんですか?」「……何言ってるんだお前。練習ってせいぜい音楽室か自宅くらいでしか」
「え、臨海公園とか行かないんですか? 人多いのに」
「外だぞ! まさかピアノを運ぶって言うのか!?」
「運びますよ」

 うっと言葉に詰まり、年下らしいその生徒を見上げる。悔しいが自分とは比較にならない。確かにこれならピアノも運べるか――と思ったところでようやく常識が機能する。

(いや、ない。いくらこいつの体格が良いからって流石にそれはない!)

 ぶんぶんと頭を振る設楽に、今度は金髪の彼が視線を向けた。こいつなら、体格的にも俺と変わらないし、ピアノを運ぶなんて言い出さないはずだ。

「防音設備からみて一般の音楽室……個人練習室じゃないね、ねえ設楽ここはどこなのかな?」
「どこって、音楽室だ!」
「やっぱりそうか……困ったな、早く帰りたいんだけど…」
「…? 何かあるのか?」
「もうすぐバイエルン交響楽団とのピアノソロリハがあるし、雑誌の取材と今度出すピアノ三重奏曲第1番〜第4楽章のCDの件でプロデューサーと約束があるし、あと何より早く帰らないと彼女との二人練習に間に合わないからね」

 心が強く打ちつけられるような感覚を覚え、こらえるように聞き流す。しかも、なんだ、最後のは。

「……二人練習…?」
「うん。とても素敵な子だよ、僕に恋を教えてくれたんだ」
「こ、恋…!?」
「おお、先輩のろけですか。ああ、そういや俺も早く帰ってあいつの演奏を聞きに行かないと」
「お、お前にもいるのか!」

 先ほどからびしばしとプライドをくじかれ、挙句の果てにこののろけ。友好状態で止まっている自分へのあてつけか。苛立ちが限界を迎えそうなその刹那、従者然とした黒髪の青年が設楽の肩をぽんと叩く。

「大丈夫ですよ。俺もまだいませんから」
「攻略できないお前に言われたくない!」




「設楽先輩?」

 つん、と服の裾が引かれる感覚に目を覚ます。視線を動かすと、ピアノの傍らでしゃがみこむようにした彼女が、彼の制服を引っ張っていた。どうやら、練習途中で寝てしまったらしい。

「……お前か」
「大丈夫ですか? なんかすごくうなされてましたけど」

 眉を寄せ、複雑な気持ちを懸命に払う。なんだか奇妙な夢だった。見たこともない連中が現れては、俺に好き勝手言ってきて――

「おい」
「何ですか?」
「……ピアノは一人じゃ運べないほうが普通だからな」

 はい? と疑問符を浮かべる彼女をよそに、設楽はやれやれと再びピアノに頭を寄せた。


(コルダも大好きです! 拍手ありがとうございます!)

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▼みんなで誕生日を祝う話




「誕生日、おめでと」

 目の前には山と積まれたホットケーキと、金髪越しに目を細める琉夏の姿。

「あ、ありがとう!」
「おい、何勝手に始め……なんだこりゃ」

 二階から降りてきた琥一が目を丸くする。それもそのはず、フライパンサイズまんまの巨大なホットケーキが幾重にも重ねられ、琥珀色のはちみつをしたたらせている。しかもそれが三皿。クリスマスの悲劇再び、といったところだ。

「誕生日ケーキ。俺からのプレゼント」
「お前なあ……こんな食えねえだろ」
「大丈夫だよ、後から人来るし」

 言いながら既に自分の分を切り分け始めた琉夏をよそに、琥一は深くため息をつき、気を取り直しては彼女にシンプルな包みを押しつけた。

「ほら、やるよ」

 黒を基調にラッピングされたそれを開くと、中にはアンティークの時計がおさめられていた。くすんだ金属の色に、文字盤の細工が映えて普段使うのがもったいないくらいだ。

「コウ君もありがとう! 今度早速つけてみるね」
「お、おう…」

 予想外の笑顔ぶりに、琥一も思わず笑みを浮かべる。その様を少しだけ不満そうに眺める琉夏の耳に、外からの騒がしい音が届いた。



「桜井の家ってのはここでいいのか?」
「嵐さんちょっと待って下さいよ〜」

 どやどやとwestbeachの扉が開かれ、柔道部の不二山と新名が遠慮なしにこちらへ来ては陣をとった。静かな誕生日会を邪魔されて、桜井兄弟はやや不満げだ。

「二人ともごめんね、わざわざ来てくれて」
「アンタの誕生日なんだから、いいっていいって。しっかしほんとに人住んでんだな〜ここ」
「ああ?」

 背後の琥一の声にびくりと肩を震わせ、押し黙る新名とは対照的に不二山は平然とした様子で彼女に大きな包みを差し出した。

「女が喜びそうなものってのがよくわからねえけど、これ」

 やたら可愛い袋の口を開くと中から現れたのはドクロくまの大きなぬいぐるみだった。何が喜ばれるかと必死に考えた結果なのだろうが、あの典型的日本男児の不二山がこのぬいぐるみを抱えてレジに行く姿を考えると、なんというか違う意味でどきどきする。

「あー嵐さんちゃっかりずりぃー! じゃあはい、これは俺から」

 口を尖らせながらクリアリボンが幾重にも巻かれた、透明なプラスティックケースを差し出す。中はどうやらネイルケアのセットのようだ。

「アンタ、いっつも俺達の柔道着洗ったりして大変だろ? 時々はこれで女の子しなよ」
「ふふ、二人ともありがとう」
「はいはい、じゃもうケーキ切るから」

 楽しそうにホットケーキを切っていきみんなに配っていく琉夏。だが、どうもその大きさが違いすぎる気がする。

「……ねえ、俺のケーキなんか薄くない?」
「桜井、お前甘いもの好きなんだな」

 見れば彼女のケーキと自身のそれだけやたら大きく切り分けられており、不二山と新名に配られたものの倍以上はある。

「る、琉夏くん私こんなには食べられないから」
「そう? じゃあ俺が食べる」
「琉夏てめえ、俺に切り分ける気がねえだろ…!」

 その地の底から響く低音に、思わず新名と今日の主賓が振り返る。額に青筋を浮かべて琥一の前にはなるほど皿すら来ていない。

「だってこれ、俺のプレゼントだし」
「てめぇ…!」

 傍にあったクッションか宙を飛び、向かいの琉夏にヒットする。代わりに琥一に向かい飛ぶ雑誌の束をあわあわと見つめるさなか、不二山が一人黙々とフォークを進めていた。

「桜井、これうまいな」
「嵐さん何先に食べてんすか!」
「嵐くんいいから避けて! 頭の上をもうすぐ灰皿が…!」

 



 westbeachから帰宅しようとした時、一通のメールに気づく。

「紺野先輩!」
「ごめん、呼び出したりして」

 これを、とカバンの中から差し出されたのは濃い緑の紙袋。ずいぶんと分厚く、重さがある。

「今日、誕生日だったよね。これよかったら」
「あ、ありがとうございます!」

 開けても良いものかと少し悩んでは開けてみる。その中から引き出されたのは――時刻表だった。

「この間2010版が発売されてね。何をあげようか悩んだんだけど、実用的なものがいいかと思って」
「実用的…」

 だめだ。一人部屋で乗換の時間や廃止になった路線に思いをはせる先輩の姿が容易に想像できる。

「この辺りの沿線から地方のローカル線まで乗っているから、旅行とかでも役に立つと思う」
「あ、ありがとうございます!」

 さらりと旅行なんて単語を出すから緊張したが、おそらく時刻表的な意味しかないのだろう。ライバルはJRなんてどう頑張ったらいいのか分からない。

 紺野先輩と分かれ、ようやく家に辿り着く。とその玄関に何やら大きなトラックが横付けされているのに気付いた。

(何だろう、宅急便かな)

 トラックの合間を縫って家に入ろうとする。そこで、その配達業者から声をかけられた。

「すみません、この住所はこちらでよろしいでしょうか」
「あ、はい……あ、うちですね」
「ちょうど良かった――おーい、運びこめ」

 はい? と思う間もなく荷台が開かれ中からクイーンサイズのベッドが下され、何故か我が家に運ばれていく。更に鏡台、洋服棚と豪奢なアンティーク造りの家具が運び込まれようとしていた。

「ちょ、ちょっと待って下さい!」

 慌てて携帯を鳴らす。

『俺だ。……なんだ、礼ならいらないぞ』
「いますぐ返品して下さい!」

 やっぱりこの人だった。

『何言ってるんだ。お前が好きだって言ってたブランドで揃えたぞ』
「だから、家に入りきれないんです…!」
『そう思ってキングサイズをやめて一つ小さいのにしておいた』

 だからなんだというのか。

「気持ちは嬉しいですけど、こんなにもらえません!」
『こんなにってほど贈ってないぞ』
「……先輩が考えてる予算から、ゼロを二つ取った範囲でお願いします」

 結局丁寧に説明をして業者に帰ってもらい、無事部屋の床は抜けずに済んだようだった。
 そして後日、設楽先輩から可愛らしいアルパカのぬいぐるみが届いた。


(18歳のお誕生日を迎えられた方がおられたので書かせて頂きました! おめでとうございます!)

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▼ルイズコピペ改編


設楽!設楽!設楽!うううわぁああああああああああああああああああああああん!!! あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!先輩いい匂いですね…くんくん んはぁっ設楽先輩のくるんくるんの髪をクンカクンカしたいお!クンカクンカ!あぁあ!! ぐあああああああああああ!!! でもよく考えたらゲームは現実じゃない!!! あ…はば学もバンビもよく考えたら…
設 楽 先 輩 は 現実 じ ゃ な い?
うぁああああああああああ!! この!ちきしょー!やめてやる!!現実なんかやめ…て…え!?見…てる?手合わせスチルの設楽先輩が私を見てる…?

(面白いコメントを頂いた時につい対抗してやった。反省はしていない)

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▼テルデジするならいまのうち





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|^ω^) ダレモイナイ...
|⊂  テルデジ スルナラ イマノウチ...
|

  
  ヽ(^ω^)ノタノムヨ
   /  /
  ノ ̄ゝ

  
ヽ(   )ノ タエラレナインダ 
  /  /
  ノ ̄ゝ


(テルデジってなんぞ? という質問にすぐお返事をくださいました! ありがとうございます!)


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▼一発変換



サクラ射るか(←何故か変換できない)
桜井好位置(←何故か位置がいい)
不二山嵐(←何故か変換できる)
新名俊平(←何故かおしい)
コンノタマオ(←何故か半角になる)
設楽政治(←何故か国家規模になる)
大迫力(←何故か変換できる)
春日太陽(←何故か変換略)
相沢修吾(←何故か惜しくもない)
平健太(←何故か平凡)


(ヨーロッパセイジ論になる方から教えて頂いてやってみた)

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▼ハロウィンの黒紺野



「ごめん、やっぱり持ってないや」
「ふふ、じゃあいたずらですね」
 
 背中から飾り物の悪魔の羽をはやした彼女は、そう言って笑うと紺野の両頬に手を伸ばした。そのまま包み込むように添わせたかと思うと、むぎゅ、と左右にやわく引っ張る。

「ふぁの、なにふぉ」

 楽しそうな様子の彼女にされるがままにされていたが、ようやく解放されかすかな痛みが残る頬に手を当てる。今日がハロウィンなことは知っていたが、一体いつから日本にこんなにもハロウィンの文化が定着したのだろう。
 そんな事をぼんやりと考えていたのを、痛かったと勘違いしたのか、彼女が不安そうな顔で見上げてくるのが分かった。この格好は小悪魔だろうか、こんな悪魔になら騙されてもいい。

「すみません、痛かったですか?」
「ん? ああ、いや――そういえばお菓子持っていたなあっと思って」

 え? と聞き返す間も与えず、そのまま手繰り寄せるように抱きしめると、上から小さく口づけを落とす。チュ、と熟れた音がし、紺野の鼻先に甘いバニラの香りが届いた。彼女の付けている香水か何かだろうか。
 普段しているのに比べれば児戯にも等しいそれを終え、何事もなかったかのように顔を上げる。ちょっとした仕返しのつもり、だったの、だが。

「――このお菓子は嫌いだった?」
「ち、ちが」

 見て分かるほど顔を赤くした彼女を見、思わずこちらも赤面してしまう。だが、何かを思いついたのか、引くでもなく彼女の手を取ると更に自身の首にまわさせた。思わずしなだれかかる姿勢になってしまい、慌てて起き上がろうとするが、背中の羽が邪魔で動けない。

「そういえば、僕からも聞いてていいんだよね?」
「ええと、な、にを……」

 仮装してもいないはずの紺野の背から、大きな悪魔の羽が生えたように見えた。

「トリックオアトリート。……と言ってもどっちもトリートになるのかな?」


(白紺野or黒紺野? から。ちゃんとしたのが間に合わなくてすみません…orz)


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▼修造コピペ改編



シロ 「もうダメだ…」
修造 「ちょっとまって、今…何て言った? おい今何ていった!?『もうだめ!?』」
修造 「もうダメとか言ってる間はずっとダメなんだよ!」
修造 「考えろよ!もっと考えろよ!」
シロ 「だって風呂ないんだ……」
修造 「無い事無い、無いなんて事は無い!どこかにあるはず、探そうよ!」
シロ 「……夏場限定のシャワー……」
修造 「ほらあるじゃない! ほらみろ! あるじゃないか!」
シロ 「温泉旅行……海……」
修造 「そうだ書け!」
シロ 「書く!」
修造 「もっと!」
シロ 「書くよ!!!」
修造 「はい付いた! 今君のとこのサイトにR18付いたよ!!」


(westbeachに風呂がないと書いた後のコメントをみて勇気づけられる様子)


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▼CH.046 シロ・アールアールチャンネル


シロ・アールアールチャンネルはときメモGS3をしていて「何故CEROの壁を越えられないの?」と思った貴方に送る妄想専用チャンネルです。甘甘から切ない系まで、風呂からお医者さんごっこまであらゆるシチュエーションを幅広く取り上げています。

視聴料金:1リッチ/月
ジャンル:ドキュメンタリー
放送事業者:(妄想会社)アールアール

現在放送中の番組はこちら:
22:00 コンタマの楽々3分駅名暗記〜地方沿線編〜
23:00 設楽先輩と学ぶフランス語講座第3回「黒板消しの叩き方が違いますよ、をフランス語でいってみよう」
0:00 クックコウイチの今から食べては危険な肉料理講座


(スカイパーフェクトシロチャンネルに反応頂いた時のもの。スカパーほしい)


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▼おっぱいAA


いいか、みんな  

 (゚∀゚ )
 (| y |)

こぶしを上に挙げて「おっ」

      ∩
 ( ゚∀゚)彡 おっ
 (| y |

下に降ろして「ぱい」だ

 ( ゚∀゚) ぱい
 (| y |⊂彡

後はこれを繰り返せ

     ∩
( ゚∀゚)彡 おっ
 
( ゚∀゚)  ぱい
 ⊂彡
 
     ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!
 ⊂彡

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     ∩
( ゚∀゚)彡 おっ
 
( ゚∀゚)  ぱい
 ⊂彡
 
     ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!
 ⊂彡



  <⌒/ヽ-、___
/<_/____/
     肩いたい…




  <⌒/ヽ-、___
/<_/____/


    ∧_∧∩
    ( ゚∀゚)彡おっぱい!
   ⊂ ⊂彡
    (つ ノ
     (ノ
   __/(___
/__(____/



  <⌒/ヽ-、___
/<_/____/


    ∩ミヾ おっぱい
  <⌒___⊃ヽ-、__
/<_/____/


(おとなしく寝てなさい)

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▼赤城君とデイジーとシャダイ



「まったく……珍しくにやにやしてると思ったら、雨傘って……君はあれかい? いじめられるのが好きなのか? 良いよ、刺してあげる。

……ふっ、はは、何だよその顔。本当にする訳ないだろ、ほら」

 そう言いながら手を伸ばす。その手をとり、一歩足を進めると広げた雨傘の下に引き入れられる。見上げると赤毛の髪にしてやったり、という表情を浮かべた彼が嬉しそうにこちらを見ていた。



 その時である。 曇り空の隙間から光が射し込み、思わず目を眇める。一瞬の間、次の呼吸を待たずして眼前に一人の男が立っていた。黒髪を上げ、悠然とした態度のその男は何故か手に似合わないビニール傘を持っている。

「そんな装備で大丈夫か?」
「……え?」
「……大丈夫だ、問題ない」
「誰!?」

 突如後ろから降ってきた声に二人で振り返る。そこには栗色の髪を真ん中に分け鎖骨を露出させた芸術パラ優先男が実に優雅な様子で立っていた。


(\シャダーイ/)

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▼もしもニーナエンドがあったら



(どうしよう……)

 設楽から選択を迫られた期限の夜。重くなる足を必死に動かしつつ、階下へと降りる。右の棟に行けば設楽中佐の客室、左は通いなれた大佐の待機室だ。その分岐点、コツンと小さい足音だけを残して立ち止まる。
 設楽中佐の元へ行けば、今のこの状態から逃れられる。敵国に捕らわれているのに代わりはないが、中佐は捕虜相手にも紳士的に接してくれそうだ。だが、その誘いに乗って紺野が黙ったままでいるとも思い難い。それこそ設楽に被害が、と最悪の想像をしてしまい、おもわずかぶりを振る。
 その時である。

「なーにしてんの?」
「!」

 突然声をかけられ慌てて振り返る。視線を上向かせたそこにいたのは、茶色の髪を左右にはねさせ、アーモンドのような目を興味深げにこちらに向けた青年将校だった。紺野達が同期だと言っていたから、二人よりは少し若いだろうか? だが、まとっている雰囲気が大人びていてそれも断言できない。

「あー! アンタ、大佐のって、やば、」
「ちちち違いますその、少し前から配属になった事務官でええと」

 まずい。大佐から他の下士官に見つからないよう、厳密な緘口令をしかれていたというのに。しかし目の前にいる彼は、どうやら彼女の事情を知っているようにも思える。

「……そっか、まだ、大佐んとこなんだ」

 ふ、と猫のような目が細められ、悲しそうな色が滲んだ。彼女のことを知っているのは、この陸部では紺野と新名二人だけ。大佐の指示通り、架空の転属届けを作りはしたものの、ずっとその存在が気になってはいた。
「えーっとさ、なんか、困ってたりとかない? その、嫌な事させられてる、とか」

 びく、と彼女の肩が震えた。その様子に、新名は一瞬で状況を理解する。こんな時間に上級幹部の部屋があるこの階にいること、いつかの日大佐に報告をしながらわずかに聞こえた小さな悲鳴。そもそも他の隊員に秘密にしてまで、彼女をここに置くのに、理由がない訳がない。
 紺野大佐は確かに有能な上官だ。その戦略は完璧で、すべての行動に理由がある。だからこそ、彼女を止め置く理由もあるのだと言い聞かせてきた、――だけど。

「オレさ、アンタにずっと謝んなくっちゃって思ってたんだ」
「あやま…?」
「大佐にアンタの事教えたのは、……オレだから」

 部下が上官に指示を仰ぐのは当然だ。だがあの夜以降、姿を消した彼女を思い出しては、時々心に灰色の影が落ちるのだ。
 ――オレが、あの時逃がせばよかったんじゃないのか?

 こうなるのは分かっていたことだ。大佐の指示なんか無視して、彼女を逃がして、それで軍人を辞めさせられても、それで良かった。何故そうしなかったのか、とこうなった今ようやく気付く。
 そして、もう一つ。

「なあ、――一緒にここから逃げない?」
「……に、逃げって、貴方はここの軍人じゃ……」
「うん、分かってる。でもさ、まだ間に合うじゃんって気付いたから」

 彼女の目からまだ輝きは失われていない。
 それならば、まだ望みはあるのではないだろうか。このまま、彼女の手をとり逃げれば良い。オレの故郷に帰ってもいい。海が近いから、毎日釣りして過ごそう。あ、それ意外といいかも。

「ね、オレといっしょに行こ? もう……後悔したくないんだよね」

 手にしていた大佐宛の書類をそっと床に置き、彼女の前に手を差し伸べる。幹部クラスのような手袋はなく、実際に戦地を渡った長い指がすっと開かれた。この手をとれば、二度と床に置かれた書類は取れない。それは事実上――新名の反逆でもあった。
 あの日果たせなかった、願い。
 それがまだ、間に合うのなら。

 紺野の元に残る
 設楽についていく
ニア新名の手を取る ←new!


(紺野選べばもしやその部下のニーナフラグが…!? というコメントにとても萌えたので)

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▼ちゅっちゅコピペ改編



LV0 ときめも? どうせ名前呼びが合ってないんだろ全く…
LV1 絵はあんまり乙女ゲーぽくないな。ってかこの人何で塀に登ってんの?
LV2 エンディング綺麗だな。紺野先輩ってのはなんかニコニコしてて結構いいかも。
LV3 紺野先輩って可愛くね? 理想の弟キャラって感じ…
LV4 設楽先輩もツンデレでかわいいな。琉夏とかコウ兄とか嵐さんとか新名もいい…
LV5 紺野先輩って生徒会長で別に怖くないのにどS扱いされててなんでだろうー
LV6 (文化祭スチル見た)会長結婚してくれ!
LV7 やべぇ会長最高! 会長と水さえあれば生きていける!
LV8 会長と結婚した! 私は会長と結婚したぞ!!
LV9 やっぱ設楽先輩は最高だわ
MAX みよちゃんとちゅっちゅしたいよぉ〜


(ちゅっちゅしてもらった時に。ありがとうございます!)

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▼刑務琉夏少尉


「ねえ、――悪いことしたんだ?」


 向かい合う男が、そう言いながら嬉しそうに目を細めた。深くかぶった軍帽の下には繊細な金色の髪が流れており、その分け目からこれもまた美しい琥珀の目が覗いた。均整のとれた顔立ちは、とても軍人のそれとは思えないほど整っており、軍部独特の重圧感はない。その代わりに、ある種色気ともとれるような不可思議な迫力を秘めていた。

「あの軍律に厳しい陸部でなんて、勇気あるね」
「……」

 紺野の提示した条件を飲み、自らの罪を吐いた。
 設楽中佐の安否が気にかかったが、それを確認する間もなく拘束され、数日後彼ら軍部の本拠地に移動させられた。大佐も彼女と目を合わせるでもなく姿を消し、放り込まれたのが軍居地の地下にある一室だった。
 暗く、わずかな明かりしかないその場所は酷く冷え切っており、薄気味悪い。だがそんな部屋の中で、目の前の彼の笑い顔だけが異常に美しかった。

「おまけに密出国、か」
「ここは、……どこですか」
「ここ? 俺の部屋」

 拘束から解かれ彼に引き渡された時、ちらと聞こえた「刑務」の声。あれが本当であるならば、彼は軍部における監査役――軍人が軍律違反を犯した際、公正な裁きを与えるために作られた、どの部隊にも所属しない特殊な処刑人。
 確かに金髪の彼の体には、紺野のものとも設楽のものとも違う、全身を黒に染めあげた軍服が見える。首元には見慣れない翼章が見え、おそらく閣下直属親衛隊のそれかとぼんやりと思考を巡らせた。

「悪いことした子を、いじめる部屋だよ」
「……あの」
「…なに?」

 首をかしげる動作に合わせて、さらりと金糸が肩に落ちる。

「私と一緒の罪で、罰を受ける人は、いますか?」
「……いないよ。陸部で起こった密出国の一級戦犯はお前だけ、ってなってる」

 どっと肩の重さが増えた気がした。
 良かった。大佐は約束を守ってくれたのだろう。設楽が無事であることが確認できれば、それだけで良い。自分のしたことは無駄にはなっていない。


「……ほっとした?」
「……はい」
「良かった。でも――ごめんね?」
「…… え…?」

 コツン、と硬い靴底の音が懲罰房の壁を覆う。
 確かに設楽の罪は問われなかった。それはつまり、全ての責任を彼女が負うということに他ならない。

「悪い子にはおしおきしなきゃ。もうしません、って言ってくれるまで、ね?」
「……ッ!」

 彼女の顎を描く輪郭に、ひたりと冷たい革が触れる。鞭の先を持ち上げるようにしてその顔を上向かせると、まっすぐに視線を合わせて微笑んだ。
 まるで、天使のように。

「ちょっと首をかしげて、手を後ろで組んで、それで――『許して下さい』って言ったら、……可愛い」

とりあえず引っ張ってきました´`* もしもこれも! というのがあれば教えて下さい探してまいります〜

しかし開設から本当に沢山のコメントや拍手、アンケートまで頂いて本当にありがとうございます…! いつもとても励みになります〜*

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