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「あの、先輩…」
「ん? どうかした?」
「こ、この服丈が短すぎる気がするんですけど…!」

 そうかなあ、などとのんきに笑いながら、膝の上で必死に服の裾を引っ張っている彼女の全身を見つめる。丈の短いスカートに一方で留められた前。その全身は白く、俗に言う「白衣の天使」と化していた。

「よく似合ってる。君に似合うと思ったよ」
「で、も足開くと見え……ひゃっ」

 彼女の足の間に太股を割り入れるようにして開かせる。案の定、ぴたりとしたスカートがその中心をのぞかせ、紺野は思わずのどを鳴らした。
 本来もう一枚生地があるはずの場所には何もなく、ぷっくりとした割れ目とそれを囲む淡い茂みだけが見える。下着を付けないように、との約束をきちんと守ったようだ。

「時々はこういうのもいいと思わない?」
「こ、紺野先輩―…」
「こら、そうじゃないだろ」

 恥ずかしがる彼女の両腕を掴み、下から口づける。その紺野の服装はというと、オフホワイトのタートルネックに長い白衣を羽織っていた。ぱっと見、青年医師のようにも間違われそうな似合い方だ。

「……はい、……せ、先生…」

 先輩と体を重ね随分経つが、最近時折「こういう」のをすることがあった。先生と生徒、凶悪犯と婦警。違った気分で出来るのは楽しいけれど、ちょっとだけ恥ずかしい。

「……うん。じゃ、悪いところがないか診察するね」

 まずは触診、とばかりに彼女の胸へ手を伸ばす。椅子に座る紺野に、向かい合わせで抱き上げられる格好になっており、わしづかむ長い指がいやが上にも見えた。

「おや、ここだけ硬いな」
「あっやっそこは…!」

 厚い生地を押し上げるようにして二つの突起がその存在を主張しはじめると、服の上からくりくりと刺激を与える。脇に手を差し込み、親指だけで何かのボタンでも押すかのように右に、左にと押している。

「は、…先生、ちゃんと診察…」
「じゃあ今度は心臓の音聞いてみようか」

 次に胸ポケットから取り出されたのは黒の聴診器だった。くるん、と金属独特の光沢を帯びた聴診部分を手に、ナース服の前をゆるゆると開く。
 彼女の上体が鎖骨から徐々に露わになり、紺野のいいつけ通り下着を身につけていない白い双丘が苦しそうに上下していた。たまらずその乳房の下に探るように聴診器の先を滑らせる。

「いつもより心拍数が多いみたいだね?」
「だっ…て先生が、あ…!」

 その丸みを追うように、聴診器が上に這いあがってくる。やがて先程刺激を受けて立ち上がったピンク色の先端に、金属のそれが触れ、ひやりとした質感と柔らかさと固さの混在したそれがくに、と押される。どう考えても心音を測っているとは思えない。

「うーん…やっぱりちょっと熱があるみたいだね」
「そ、れは先生があ…!」
「一応注射しておこうか」

 注射、という単語にびくりと肩を振るわせる。見れば紺野の手には差し込む先端が丸くなった大きな注射器が握られていた。まさかこんなものまで用意しているとは。
 向かい合うように抱きあげていた彼女を横向かせ、その背中を支えるとためらいなく注射器を持つ腕をスカートの中に突っ込み、その先端を秘所にわずかに埋める。ひやりとした異物感。

「や、こわ、…!」

 思わず足を閉じるが逆に紺野の腕を挟み込み、固定するような形になってしまう。それに気を良くしたのか更に注射器は奥に進み、ふと冷たい感触が体の中に走った。奥の方まで遠慮なく注がれたそれが何かと疑問に思うまもなく、その答えはすぐに彼女を襲う。

「せん、せえ…! これ…」
「もちろん、君の体が良くなる薬だよ」

 カシャ、と注射器が離れ床に放り捨てられる。下の口から飲み込みきれなかった液体がわずかに漏れ出し、そのふちからじわ、とにじみ出すように体が熱を持ち始める。痒みとも痛みともとれるそれが膣から陰唇にかけて広がり、太ももを擦り寄せるようにして堪えるが内から溢れる欲が追い付かない。

「先生、からだが、熱…!」
「はは、薬が効いてきたのかな」

 全身が熱く火照り、下腹部がキュン、キュンと刺激を求めてひくつく。しかし紺野はそれ以上彼女の体に何もすることなく、顎に指を添えて持ち上げてはくちゅ、と口づけるばかりだ。
 これ以上は限界だ、と感じたのか紺野の胸板に手を這わせ懇願する。

「先生、もう、許して下さ、い…」
「……何がかな」
「ナカが、もう、……くるしくて」

 きちんと言葉にするには恥ずかしく、顔を赤くしながらたどたどしくお願いする。だが紺野は彼女の意図とは異なる回答を持ち出してきた。

「まだ悪い? じゃあもう一本注射しようか」

 その手には部屋に転がった注射器とはまた別の注射器があり、中には先程より多くの液体が揺らいでいる。一本打たれてこの過敏さになっているというのに、二本目を打たれたらそれこそ壊れてしまうのではないか。
 怖くなりたまらず身をよじると、紺野の手が体から離れた。今しかない、とばかりに彼の膝から降り、乱れた衣服のまま逃げようとする。が、すぐに椅子から立ち上がった紺野に追いつかれ、腰を絡めとるとベッドに転がされた。
 山形に曲げた両足の間に白衣の背が広がり、暗い部屋の中彼女の白い足がばたつく。それはもはや先生と看護婦ではなく、研究者と実験体のそれのようだ。

「ほら、足を広げて」

 いやあ、と声をあげても止まることはなく、二本目の媚薬が注入される。チュチュ、と音を立ててそそぎ込まれたかと思うと、案の定こぷ、と収まりきれなかったそれがこぼれ、シーツを灰色に変色させる。
 触れられてもいないのに、そこはにちゃにちゃと口を開き、最奥を突かれるのを今か今かと待っている。薬のためか短く息を繰り返し、言葉すら発せなくなった彼女に、紺野は狂った科学者のような目で呟いた。

「まだきついかな? ……仕方ない、最後の注射をしてあげようか」

 白衣の下の体が何事か蠢き、絡み合う互いの足の隙間から紺野の怒張が見え隠れした。そして次の瞬間、今までとは比較にならない比重の注射器が彼女に突き刺さる。

「……! …!」

 にっちょ、にっちょと腰が前後するたび、ペニスに容量を奪われた膣から透明な媚薬が飛び散る。その滴を太ももの内側やシーツに残しながら、紺野はひたすらゆっくりと彼女の体を揺さぶった。

「やっぱり、熱があるみたいだね、すごく、あつい」
「…!! …!」

 熱に浮かされたように呟く紺野をよそに、彼女の足は痙攣し、その指先はぴんと延びきっていた。最奥に亀頭が到達し、子宮の入り口をぐりと刺激するたびぴくんと体が跳ね、そのたび何度も達しているのが分かった。恐らく薬のため、異常に感じやすくなっているのだろう。

「ん、僕もそろそろ、無理、かな」

 彼女の片足を担ぎ、より深く挿入出来るよう体を起こす。そのまま彼女の体を折り曲げるように前へ前へと責め立てる。前は全開になり、捲れあがったスカートの彼女に対し、紺野は白衣を乱すことなく彼女の体をその下に覆い隠す。
 じゅぼ、と普段より多い水音がリズミカルにかき混ぜられ、ある一瞬ぶるりと紺野の背が震えた。しばらくゆさり、と彼女の中に白い液体を注ぎ込むとぬるりて静かに抜き去った。残った白濁と肉棒に絡まるように滴る彼女の愛液と媚薬が先端に集まり、一つの滴となってナース服のスカート中央に大きな染みを残して消えた。

「これからも定期的な治療が必要、かな」

 気絶してしまった愛しい看護婦の体をかき抱くように倒れ込み、荒療法な医師も同じく目を閉じた。

期間限定企画「AV。」に寄稿していた作品です。

素敵な企画をありがとうございました!

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