襲い掛かってきたクロウリーにアレンがイノセンスの左腕で受け止める。
しかし勢いに押されて吹き飛ばされていき、そしてクロウリーに殴り飛ばされて行ってしまう。
『アレン!!?』
「アンジュはラビを!」
圧倒的なスピードに押され気味のアレンに言われ、先程クロウリーに殴り飛ばされてしまったラビのもとに走る。
『イノセンス発動、第二開放”鎮魂歌”』
首に巻かれたチョーカーをほどき、寄生型のイノセンスを発動させる。
けれどこのイノセンスとのシンクロ率はまだまだ低いからあまり使いたくないのだけれど…
歌を謳う。唄う謡う。
光に包まれた両手をラビの傷口へと翳す。
「…アンジュ、か」
傷口が徐々にふさがっていくのを確認して頷く。
「もういいさ、動ける」
アレンの所行ってやれ、と言われクロウリーと戦っている彼を見る。左手のイノセンス化を解き、必死にクロウリーと分かり合おうと話している。
『――わかった』
もう動けるくらいには回復したのを見て、立ち上がる。
しかしその瞬間、アレンがクロウリーに殴り飛ばされ城の方へと飛ばされてしまった。
「オレがクロウリーを相手するさ」
『…うん』
アレンが飛ばされた方向へ走る。
城を突き破ってしまったのか壁に大きな穴が開いていてそこから中へと入るとアレンが倒れているのが見えた。
『アレン!アレン!!起きれる?』
「…だい、じょうぶ」
ふらつきながらも立ち上がるアレンに支えながら補助する。
脇に肩を入れ、支えながら壁に沿って歩き出す。
「う゛−、なんかちょっと頭強く打っちゃったかなぁ
師匠にカナヅチでやられた時も確かこんな風に星がまわりをキラキラと…」
『え゛大丈夫!?』
「早く戻んなきゃ」
壁に沿って歩いて居た。
アレンがそう言ったとき、ズコ、と壁の一部がへこみ、壁が開いた。
『えっ、やだ、うそっ』
「でっ、だっ、どえっ」
ゴロゴロと開いた壁から中へと転がり込んでしまった。
「か、隠し扉とは…」
『ここは…』
転んでしまったときに頭と数か所打ってしまったみたいだけれどたいしたことはないみたい。
アレンと自分のケガの具合を確認していると部屋の奥から呻き声が聞こえてきた。
床を見ていた視線を前に向ける。
奥の壁に大きな影が映っていた。恐らくこの呻き声の主だろう。
その陰の大きさに目をむくと同時に後ろの壁が閉じ、呻き声もぴたりと止まる。
すると壁に映っていた大きな影が消えていた。
『…あ、れ』
「な…っ!?」
大きな衝撃と共にとなりにあった本棚に身体がめり込む。
「あら☆白い坊やに可愛いコじゃない。アレイスターったら仕留めろって言ったのに…」
この声。
本棚に身体が抑え込まれ、肺が圧迫されて息が苦しい。
心なしか視界も霞んできた。
「まったく、もう…」
隣にもアレンが私と同じように抑え込まれていた。
「まぁいいわ。あんたらは私が始末したげる。一度は味わってみたいと思ってたのエクソシストの血の味v
この城に入ったこと後悔なさい!」
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