『参ったなー。』
とぼとぼと静まり返る廊下を歩く。
あれから友人に説明するも結局分かって貰えず、熱でもあるんじゃない?と保健室へ行くように教室を追い出された。
『なんでだろ…ウチどっかで頭でもぶつけたかな………。』
昨日の夜は…うん、何もなかった。朝も普通。教室に入ってからだ。なにこれどこの夢小説さ。パニックすぎてしんどい…。
ぐるぐる考えている内に、本当に気分が悪くなってきた。ああもう、どーでもいいや。
『寝れば治るはず!せっかくだし授業サボってやろう。』
そうと決まればいざ保健室へ!!
〜保健室〜
『うおわあああ…なんか本格的に頭痛くなってきたな…。頭痛持ちはツライよ……。あ、保健室過ぎるとこやった…。』
ああヤダヤダ。早く入って夢の世界へ旅立ちたい……。
『失礼しまーす。』
「…おや、いらっしゃいませ。」
『…………。』
バタン
いやいやいやいやいやいやいやいや。私は何も見ていない。私は何も見ていない。明智光秀が白衣姿で資料片手に座って居る所なんて見てない見てない。
「何をしているんです、名前さん…?」
『ひぃやあ!!』
「…そんな驚き方されると……犯したく、いえ悲しくなります。」
『おい今犯したくっつったよなアンタ。』
「おやおや、聞こえていましたか…。」
ふふふ、と独特な笑い方をしながら、入り口で笑っている明智光秀。ゲームのように青白いような顔ではなく、ちょっと白いが健康的な色をしている事に驚いた。
「…そんなに見られると穴が開いてしまいますねぇ。…あぁそれもイィ…。」
『スイマセンゴメンナサイもう見ませんからその顔でウチを見ないでください。』
「そんな事より名前さん、またサボりに来たんでしょう…。」
『…え、』
「ほら、そこに立ってないで入ったらどうですか…?私の暇つぶしに付き合って下さい。」
『……。』
「紅茶でも淹れてあげますよ。」
(ゲームとは違う)
(人、としての表情、会話。)
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2012.1.4