二時間目 [ 3/7 ]

―初め、まして―


「1000人作るぞー!」

「ぅわっ」

すぐ横で聞こえた明るい声にびっくりし、
一度目を左に向ける。

(ぅ…おぉ。)

ちょ、デカイなぁ。なんだこのムキムキ。
背たっか!!髪は金髪やし、外国の人かなぁ。
なんて思いながら凝視してたら、
茶髪で左の髪が一部クルンとなっている男の子と目が合った。ぅわ、美形。

「おっ、可愛い子ー!」

「!」

その人は私を見ると、ムキムキを追い越して私の前に出てきた。この人も背が高いな…。

「何々どーしたの?ルートなんかじーっと見て!ねーねー、君の名前なんて言うの?歳は?あ、ここに居るって事は俺たちと同じ1年生?こんな可愛い子がいるなんて、俺びっくりだよー。ねね、今から俺とお茶しない?」

「え、ええ?!」

クルンな人は私を見るなり、身振り手振りのマシンガントークを浴びせ、私の手をとり可愛くお茶に誘われた。
なんだこの人!あまりにもびっくりしすぎて対応ができない。これは、俗に言うナンパ…ですか…?

「あ、あの「ゴルァ、フェリシアーノ!!!!」

「「うわぁ!」」

いまだに笑顔で手を握っているクルン君に抗議の声を上げようとしたとき、近くにいたムキムキがどなった。こ、怖いよぅ。

「ルート君、もう少し抑えてください。彼女が怯えていますよ。」

「…む。す、すまない。」

クルン君と縮こまっていると、日本人の男子がムキムキを叱った。に、日本人だ…!

「ヴェー。」

ヴェ?声の方へと視線を向ける。

(!!ち、近い!)
かがんできているため、顔が近い。うわ、どうしよう…。


「…そのままでも美味しいですが、フェリシアーノ君離れてあげてください。」


彼女が困ってますよ。
黒髪君は、男の子を剥がしてくれた。
この人はなんていい人なんだろう…!(なんか美味しいって聞こえたけど)
私を見かねてクルン君に声をかけてくれた人は、私をみて苦笑いを向ける。


「ヴェ、ごめんねー。」

「ぁ、いや、大丈夫です…。」


そんな子猫のような目で見られると、許すしかないじゃない!!
と言うか初対面の人に意見なんて出来る度量は生憎私は持っていない。

ようやく私から離れたクルン君はムキムキに絞られていた。合掌。


「すいません、騒がしくて。」

「あ、いえこちらこそすいません。」

二人してぺこっと謝る。日本人の性だ。
……この人も中々好青年ですな…。

「もし宜しければ、」



「これもなにかの縁ですし、お名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

「あ、ぁはい!
……えと、苗字 名前と申します。」


丁寧に言葉を繕い、最後にぺこりと頭を下げる。第一印象って、大事だからね!礼儀は正しく!


「名前さんですか。
私は本田菊と申します。因みにクラスは1-2です。宜しくお願いします。」


「ヴェー、菊だけズルいよー!!
俺フエェリシアーノ・ヴァルカスって言うんだ!パスタとピッツァが大好きなお茶目さんです!俺のクラスは1-4だよっ!遊びにきてねっ!!」


「お前はもう少し落ち着いたらどうなんだ。…フエェリシアーノがすまなかった。
俺はルートヴィッヒ・バイルシュミットだ。クラスは1-2。宜しくたのむ。」



「……ょ、宜しくお願いします!!」







(初めての友達ゲットォ!!!!)

やっと進みました。


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