彼女との再会はひどくひさしぶりである気がした。

いや、気がしたのではなく実際にそうだったのだと思う。最近は本当にやらなければならないことが山積みで、仕事仕事と怒涛のように時間が過ぎていた。だがその月日の長さを振り返ってみて改めて気づく…自分は彼女になんて寂しい時間を過ごさせてしまっていたのだろうか。

シャムロックはきゅっと眉間に皺を寄せて眉を八の字に曲げて彼女を見た。

自分のこの仕打ちが彼女に愛想をつかされても可笑しくないレベルであるということは自覚しているつもりである。だというのにそれでも目の前にいるのは最後に見たときと変わらない様相の名前で、それが嬉しくもあり、申し訳なくもあった。

「シャムロック、ひさしぶりの再会なんだからそんな顔しないで?」

「…しかし…、」

「どうしたの?何かよくないことでもあった?」

心配そうな顔つきでシャムロックを覗き込む名前に、シャムロックの口が言いにくそうに言葉を紡ぐ。

「名前、君は本当によかったのかい?」

「何が?」

「ええと、ほら、私はいつも君を待たせてばかりだし、」

言葉の端を濁し、視線を落としてシャムロックは考えた。彼女と会えなくなる少し前に、待っていてくれると、彼女がそう言ってくれてからもうどれだけの時間が流れただろうか。

彼の言葉に名前も伏目がちに視線を落とすと、そうねえ、と言葉を漏らした。

「確かに会う機会がこんなに少ないのは寂しいわ。」

「…すまない。」

「謝らないで?」

申し訳なさそうに頭を下げたシャムロックに名前が慌てて制止をかける。顔を上げた彼のこの情けなさそうな顔を見て、誰が彼を自由騎士団の団長だと思うだろう。名前はふとひと息つくと語りかけるように彼に言った。

「シャムロック、私は私が待ちたいと思ったから待ってるのよ。」

「……名前…、」

「それじゃだめかしら?」

どうしようもなく抱きしめたくなる気持ちというのはこういうときに湧いてくるものなのか、とシャムロックは思う。だからこそ彼は答える代わりに、彼女を引き寄せた。


愛の最後は独り善がりで出来ている