2024/06/04



武藤遊戯くんへ。
誕生日おめでとうございます。今日でまた一年歳を重ねたね。今日という日をあなたの隣で迎えられたこと、わたしはとても嬉しく思っています。わたしはあなたの、その笑った顔が好きです。見ただけでわたしの心は温かくなります。わたしはあなたの、誰にでも分け隔てなく接する物腰が柔らかいところが好きです。口下手でへっぴり腰なわたしの言葉を、遊戯くんは急かさずいつも待ってくれるので、いつも助けられています。内気なわたしだけど、いつも仲良くしてくれてありがとう。こんなわたしを好きになってくれてありがとう。彼女にしてくれてありがとう。遊戯くんが今よりもっと、もっともっと、たくさんの幸福に出逢えますように。細やかながらも応援してます。


「――と、ということでね、あの、遊戯くんがよければ、その、これからもわたしとよろしくしてくれたら嬉しいな、なんて……」

手元の紙から顔を上げる。眼前に居るのは愛を込めた手紙を渡した彼女本人で、恥ずかしいのか頬は赤く染まっている。口を開いても言葉は出て来そうになかったので、彼女の肩を抱き寄せた。

「遊戯くん……!?」

驚く声を宥めるのも忘れて、肩に額を当てる。抱き締める腕に力を込めた。とくん、とくん、と規則正しくも徐々に加速していく彼女の鼓動を感じる。嬉しいと思った。ありがたいとも思った。けれど、それ以上に。

「愛してるよ」

僕を映して、僕だけを愛する、きみを。

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