07:あなたに少しでも近付きたいんです

「名前!記念すべき30人目おめでとう!」

「かずみんひどくない?振られて傷心の親友に掛ける言葉じゃないよね?」

「ってか制服お姉ちゃんのとサイズ合っててよかったね」

「若干スカート短くない?」

「普通っしょ」

「っつーかよ、お前も赤司に振られるってわかっててよく告ったな」

「え、なに?青峰もかずみんも人の心に塩塗りたくって楽しいの?」

もうこいつらと友達やめようと決意したときに

「苗字」

「……なんなのだよ?」

「真似するな!」



カルシウム足りないなぁと思ってると声に出てるのだよ、とさらに青筋をたてた緑間が近寄ってくる、怖い。

「赤司が呼んでいるのだよ」

「お、噂の王子じゃん」

「え、傷心に追い討ちかけるって赤司も性格わりーな」

「待って、あんたが傷心と追い討ち知ってたって驚きしかないんだけど」

「苗字」

「あ、赤司くん!」

「随分と盛り上がっているところ悪いが、一軍レギュラーの健康診断書をもとにデータをまとめてほしい」

ん、ちょっと待った?

「え、この人数まとめるの?」

「次の大会の選抜までにまとめたくてね」

「え、この量まとめるんですかね…」

「俺のために何でもするんだろう?」

え、まじかよ。王子様ドSだったのか。周りもえ、赤司?みたいな感じだよ。

「そ、そうは言ったけど」

「無理なら他のマネージャーに任せるだけだ、構わ」

「もちろんやらせていただきます!」

「おい赤司」

「何だ、青峰」

「お前苗字のこと振ったんじゃねえの?」

「ああ、そういうことになるね」

「お前、そのあれじゃん、な?」

「苗字いわく俺を落とすらしい」

「は?まじで?苗字どんだけタフなんだよ」

「そして俺は挑戦者は嫌いじゃない、以上だ」

周りの視線が同情で満ち溢れている、うん無視だ。赤司くんがあたしをじっと見つめる。

「制服は大丈夫みたいだけどスカート丈が短いね」

「セクシーを意識してみました」

大きくため息をついたあと、根本的な解決には繋がらないぞ、と釘をさされる。

「俺は生徒会があるからこれで失礼するよ」

「なんとかします、両方とも!」

「期待してるよ」

微笑みかけられて思わず胸の鼓動が早くなる。

「名前あんた本気で言ってるの?」

「気持ち伝えてからなんか距離が縮まった気がする…」

「お前、あれだな、おめでたい奴だな」

「それより苗字、スカート丈はどうするのだよ」

「え?このままでいくけど?」

「……」

「え、なに緑間?」

「……いや、なんでもない」

俺は少し用事があるから席を外すのだよ、と告げてどっかに行く。
山のようにある書類を見て思わずため息が出るけどまとめ始める。
少し前に進めた気がする。

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