04:思ったよりも君に近付けそうなんだ

本日は4限の数学の先生がインフルエンザにより自習なり。お菓子を食べながら昨日の出来事をかずみんに話すと

「え、名前昨日部活早退したの?元気だけが取り柄なのに?」

失礼極まりない言葉が返ってきた。こいつもう親友じゃない。

「かずみん、お菓子あげなーい」

「あぁ、ごめんごめん。驚いちゃってさ」

「あたしじゃなくてガングロ君が怪我しちゃってさその手当てしたら体操着が汚れちゃったの」

「はぁ?ガングロどっから出てきたし?一軍でしょ?」

「おい、そのガングロ君ってまさか俺じゃねえよな?」

「あ、噂のガングロ君じゃん、昨日は大丈夫だった?」

「おう、お陰さまでな。早退する必要なんてなかったんだけど、さつきがうっせーし仕方ないから昨日は病院行ってやったんだよ。今日は昨日の分もバスケするつもりだぜ」

「良い彼女持てて幸せじゃん、ガングロ爆発しろ」

「さつきって人は美少女おっぱいちゃん?ガングロ爆発しろ」

「おいこら、さつきは彼女じゃねーっつーの、お前らが爆発しろ」

へぇ心底どうでもいい情報どうもありがとう、と言ってバスケの本を読む。

「お前バスケ好きなの?マネージャーだし」

「名前は赤司征十郎が好きなんだよ」

「ちょっと、個人のプライバシー!それにかずみん呼び捨てにしないでよ!王子様って言って!」

「赤司のどこが王子様だよ、笑えるわ」

「野生猿にはわからなくて結構ですー!」

「あぁ?俺のどこが野生猿だよ、俺の方が王子様だわ」

さりげに青峰とお菓子の攻防を繰り広げていると、我がクラスの変人第1号がやって来た。

「お前たちはやかましいのだよ!自習中にお菓子を食べるな!」

「あぁ、うるせぇのが来たぜ…」

「あ、変人第1号くんどうしたの?」

「…俺は緑間真太郎なのだよ」

「ぶっは、変人第1号くんって良いあだ名じゃねぇか」

「黙れ、青峰。お前たちは学習の心構えがなってないから成績不振なのだよ。苗字も昨日とは全くの別人みたいだ」

「やばい、緑間くんお友達になりたいのかな?」

「なぜそうなる!」

「そういやなんでお前あんなに手早く処置できたんだよ?マネージャーの筆記試験ビリだったくせに」

「あぁ、おじさん町医者だし、よく急患で来るんだよねぇ。ってかその情報どっから手に入れた」

緑間がじっとあたしを見て深いため息をついた。え、なんだ?顔を見るだけで憂鬱になっちゃうとか言われると豆腐メンタルだからもうグシャグシャになるんですけど。

「医療専門のマネージャーか、認めたくはないのだよ」

「え、なに?さりげにディスられた?」

「主将から話があるらしい」

部活の最初に一軍の体育館に来い、とだけ告げ席に戻った緑間を見る。

「あぁ、なるほどね」

青峰がしたり顔でこちらを見る。揃いも揃ってなんなのだろうか?わりと気持ち悪い。

かずみん、と話を振るもかずみんは漫画に夢中みたいだ。

一軍の体育館、と呟き思わず立ち上がる。

「王子様と同じ空間!」

「黙るのだよ、苗字!」

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