俺の恋人は所謂ツンデレです


俺の恋人、南沢篤志さん。俺の一つ年上で、部活の先輩。背は小さめで(それでも俺より高いけれど)なんだか、色気が凄い。いつも余裕の二文字をまとっていて、それが崩れる事はあまりない。あ、ベッドの上は別だけど。


現在南沢さんは、俺の部屋にいる。のんきにもまあ俺のベッドでゴロゴロしながらマンガを読んでいる。

「南沢さーん」

「なんだよ」

「雑誌なんて読んでないで、俺をかまってくださいよ」

そう言って南沢さんの読んでいた雑誌をとりあげると、南沢さんは拗ねた。

「もう、俺と雑誌どっちが大切なんですか」

「雑誌」

はい、きました即答。南沢さんの中では俺<雑誌だそうだ。地味に傷くよな。

「倉間、飲み物」

「はいはい。ったく、俺はあんたのパシりっすか」

「俺に惚れたお前の負けだろ」

それを言われると、何も言えなくなる。だって図星だから。飲み物を二人分取りに行きながら、どうしたらあの人を素直にできるかと。

「南沢さん、飲み物持ってきたっすよ」

「あ、サンキュ」

「って、何人のアルバム見てるんですか」

部屋に戻ってみると、南沢さんは俺の小学生の頃のアルバムを見ていた。

「倉間小さい、可愛い」

誉められるのには馴れてないから、何だか照れるけれど、なんか違う気がする。写真じゃなくて、俺を誉めてください、なんて言えないけど。

「南沢さん、いつまで見てるんですか」

「いいじゃねぇか、倉間可愛いんだから」

「ショタコンみたいですよ」

「ショタは好きじゃねえよ」

「じゃあ、何でそんなに見てるんですか」

「倉間だから」

ほら、たまにそうやってでれるから、俺はこの人にめっきり弱いんだ。

「俺なら目の前の方にしてください」

「お前可愛くねえじゃん」

「じゃあ、可愛くなりましょうか」

「いいよ、今のままで。今の方がかっこ…っ」

南沢さんの言葉が途中で途切れる。あれ、今この人。

「ねぇ、南沢さん」

ベッドに寝転んでアルバムを見ていた南沢さんにまたがって、ぐっと顔を近づける。

「今、何て言いかけたんですか?」

俺がそう聞くと南沢さんは顔を真っ赤にして答えてくれた。

「今の、今の倉間の方がかっこいいから」

(素直なあなたはかわいすぎる!!




遅くなりました。しかも、あれ。かまかけてませんね…

2011/11/30
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