-18-



side倉間



「南沢さん」

「倉間っ?」

霧野と南沢さんが話しているのを目撃、そして立ち聞きさせていただいた。霧野と南沢さんが別れるのを見計らって、南沢さんの前に出る。

「俺も、南沢さん幸せにしたいっす」

「お前、今の話聞いて…?」

「勿論」

今朝からなんだか南沢さんに避けられてる気がして、ついでに三国さんも南沢さんに避けられていたから、何かあると思っていたら、霧野に先を越された。

「俺、てっきり三国さんと付き合ってると思いましたよ」

「お前もかよ…」

「ねえ、フラれたなら俺にしませんか?」

「は?」

「俺、南沢さんを絶対幸せにしますよ」

はっきりと俺がそう言うと南沢さんは俯いて小さな声で、ごめんと言った。

「なんで!!」

「俺はまだ、三国が好きだから」

「それでも、良いです」

「良くない、だろ」

「なんで」

「お前を幸せにしてやれない」

「俺は南沢さんの傍にいるだけで、幸せっす」

南沢さんはなぜか、今にも泣きそうな顔をしていた。泣きたいのはこっちだ。なんで、なんで、南沢さんはこんなに三国さんが好きなんだ。

「そんなんじゃ幸せになれねぇよ」

「なれますよ!!」

「なんで、言い切れるんだよ」

「南沢さんが好きだからです。この世の誰より、南沢さんを愛しているんです」

(初めての超直球の言葉)









「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -