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side蘭丸


ぽろぽろと涙を流す神童をなんとか近くの公園のベンチまで誘導してその涙の理由を聞くと、神童は途切れ途切れに保健室であった事を話してくれた。正直、驚いている。三国さんと南沢さんより、三国さんと神童の方が仲が良さそうに感じていたからかもしれない。


暫くして、流石に神童も落ち着いて泣き止んだが、その表情は暗い。

「…俺、三国さんの事は諦める」

「え…」

「今すぐには無理だけど、徐々に、諦めがつくように」

「それで、良いのか?」

「あぁ」

そう言った神童の表情はやっぱりどこか泣きそうで、それでいて少しだけ頼もしそうに見えた。

「霧野」

「ん?」

「今まで、色々聞いてくれてありがとな」

そう言って神童が無理やり笑顔を作った。俺はその言葉を聞いて、安心した。よかった、と思ってしまった。

「…っごめん、神童。先帰る!!」

神童には怪しまれたと思うけれど、その時の俺は彼の傍にいる事ができなかった。

今まで応援してたのに、振られてよかった、なんて思って。好きな子が泣いてるのに、少しでも自分に好意を向けて欲しい、なんて願って。愛しい人が無理に笑うのを止めることもできなくて。最低だ、最悪だ。結局俺は自分の事が一番で。なんで、なんで。こんなに神童が好きなのに。どうして、どうして。

神童の幸せを一番に考えられないんだろう。

(こんな俺に君の傍にいる資格はないね)



1ヶ月以上ぶりですね

2011/09/24










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