剣南
生意気だ
「せんぱーい」
やけに間延びした声で剣城に呼ばれる。というか、なぜこいつがここにいる。ここは稲妻町から離れたあんま人が来ない空地で、俺はここでほんのたまにサッカーをしている。
「部活辞めてもサッカーするんだ」
「ただの気分転換だ」
「気分転換、ねえ」
「うっせえ、たまにサッカーしたくなんだよ」
「そうかよ…。じゃあ俺はそろそろ」
そう言って帰ろうとした剣城が、なぜか俺の方にきた。そして、ちゅっと俺の唇に口付けた。
「なっ、お前…」
「気分転換だよ」
「ふざけんなっ」
「顔真っ赤だぜ。もしかしてファーストキス?」
「違う!!」
「じゃあ見かけによらず初なのか」
「違う!!」
「真っ赤になって否定する姿も可愛いぜ」
ああなんでこいつはこんなに生意気なんだ
剣城にからかわれる南沢ってこんな感じだろうか
2011/08/31
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