2年前、蘭丸は初めて拓人の家に遊びに行った。


またね


ある日蘭丸が拓人の家に行ってみたいと言ったのが始まりだった。

「いいよ。今日来るか?」

「急に大丈夫なのか?」

「あぁ」

「じゃあ、お邪魔しようかな」

そして、放課後。蘭丸は拓人と一緒に彼の家へ向かった。十数分歩いたところで、着いたよと拓人が言った。蘭丸の目の前にはお城のような家が建っていた。

「これ、神童の家?」

「あぁ。あ、入り口はこっちだ」

あまりにも豪邸過ぎて、蘭丸の目はあちらこちらをキョロキョロと眺めている。そのうち玄関について、蘭丸が靴を脱ごうとすると土足で良いと言われた。

「お帰りなさいませ、ぼっちゃま」

使用人が出迎える。これにも蘭丸が驚いていると、拓人が鞄を渡しながら

「ただいま」

と、言った。

「こちらの方は?」

「霧野。学校の友達。部屋行くから飲み物とお菓子持ってきて」

「かしこまりました」

使用人は拓人に一礼して去っていた。

「こっち」

蘭丸は拓人に案内されて、ある部屋に向かった。そこにはグランドピアノとソファーとテーブルがあった。

「座って」

と、拓人が大きい方のソファーを指して言った。蘭丸はそれに従い、ソファーに座る。ソファーは適度に柔らかくて座り心地が良かった。

「神童って、ピアノ弾くんだ」

「あぁ」

「一曲聴かせてくれないか」

「いいよ。何が良い?」

「神童が一番好きな曲」

「わかった」

拓人はソファーから立ち上がって、ピアノの前に座った。何かいろいろ準備をして、ふーっと一息吐くと、ピアノを弾き始めた。蘭丸は耳にした事が無かった曲だったが、少し悲しくて、でもとても綺麗な曲だと思った。

しばらく拓人の演奏が続き、そして終わったところでタイミングよく使用人が紅茶とケーキを持ってきた。

「ピアノ上手だな」

「ありがとう」

「それに凄く良い曲だな」

「本当か?俺もこの曲大好きなんだ」

「また聴かせてくれよ」

「あぁ!!」


ケーキを食べたり、紅茶を飲んだりしながら、学校、勉強、そしてサッカーの話で盛り上がっているとあっという間に辺りが暗くなる。

「そろそろ帰らないとな」

蘭丸が立ち上がると、拓人も立ち上がって

「外まで送るよ」

と、言った。そして二人並んで歩いて門まで向かった。

「…今日は楽しかった。」

「俺も」

「また、遊びに来て」

「もちろん」

蘭丸が頷きながら返事をすると、拓人がとびきりの笑顔で、ありがとうと言った。

「また、明日」

「あぁ、また明日」




おちがいつも以上に行方不明です。途中から二人の口調が
わからなくなっていました。リクエストありがとうございました。

2011/06/27










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