テストの一週間前。テスト前は全ての部活が休みとなる。もちろんサッカー部も休みだ。俺は南沢さんに、俺の家で勉強を教えてもらう予定だった。俺はそんなに馬鹿じゃないけど、南沢さんは内申内申言ってるだけあって、物凄く頭が良い。
勉強会
「じゃあ、まずは数学からな」
そう言って南沢さんは俺の本棚から一冊の問題集を取り出す。この前南沢さんと本屋に行った時に勧められた問題集だ。
「まずはここからここまで、10分で解け」
「短くないっすか?」
「簡単なやつしかねぇから、いかに早く正確に解くかが重要なんだよ」
始めるぞー、と言って南沢さんが携帯のカウントダウンを開始したので、俺は問題を解き始めた。うわ、めんどくせぇ。確かに簡単なんだけど、無茶苦茶計算がめんどくさい。途中でミスったらヤバい、と思って集中しようとしてるんだけど、手持ちぶさたらしい南沢さんがずっと俺が解いてる様子を見つめてくるから上手く手中できねぇ。やがてピピピと携帯が10分経った事を告げた。
「赤ペン」
右手を差し出してそう言ったので、俺は筆箱から赤ペンを取り出した。南沢さんはそれを受けとると、解答を見ながら採点していった。
「お前集中力無さすぎ」
採点が終わった南沢さんが答案を俺に見せた。15問中12問正解。基礎なのに3問間違っていた。
「げ、結構間違ってる」
「ここ、+な。だから後の計算全部ミスってる。あと、これは左辺に2掛けたのに右辺は掛けてない。ここも符号のミス」
南沢さんが俺がミスった箇所を赤ペンで丁寧に直していく。俺のお世辞にも綺麗とは言えない字のとなりに、南沢さんの少し小さくて整った字が並ぶ。
「次はここからここまで。わかんないとこは飛ばせ。あとでまとめて説明すっから」
そう言って南沢さんが指示したのは応用問題。少し気合いを入れて解き始めた。南沢さんは俺のベッドに腰掛けて自分の参考書を読んでいた。
どうにか全部の問題を自力で解けば、始めた時から1時間経っていた。とりあえず南沢さんを呼ぼうと思って、ベッドの方を見ると、南沢さんが眠っていた。参考書はベッドサイドに丁寧に置かれていて、丸くなって、しかもなぜか俺の枕を抱きしめて寝ていた。何このかわいい生き物。
「南沢さーん」
「ん…」
体を揺すると南沢さんはダルそうに目を開けた。
「終わったっすよ」
「おせーよ、馬鹿」
「採点、してくださいよ」
「はいはい」
ゆっくりとベッドに再び腰をかけた南沢さんは、俺の持ってきた答案と解答を開いて丸を付け始めた。
「お、全部正解」
「まじっすか!?」
「あぁ。でも計算に無駄が多い。この辺とか」
「良いじゃないっすか、解けてれば」
「バーカ。遅かったら意味ねぇだろ」
でもまぁ、よく頑張ったんじゃねぇの、と南沢さんが珍しく誉めてくれたので俺は調子に乗って南沢さんの唇にキスをした。
「…お前っ、いきなり」
「お礼っすよ」
「礼になってねぇよ」
そんな悪たれ口を言っても、少し赤くなった頬が南沢さんが照れている事を示している。そんな南沢さんを、ベッドに押し倒す。南沢さんは少し驚いていた。
「頑張ったご褒美、貰っていいっすか?」
明日は学校無いし、部活も無いから条件は大丈夫だ。あとは、南沢さんの気分次第なんだけど。
「っ…、あんまがっつくなよ」
「わかってるっすよー」
そう言って南沢さんの額にキスをした。
中二って何勉強したっけ、なんて思いながら書きました。相変わらずグダグダです。haruki様リクエストありがとうございました
2011/06/27
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