2軍の頃の蘭丸と拓人
「はあ、はあ…」
「キツい、な。流石名門」
名門、雷門中学のサッカー部の練習は想像異常にハードだった。俺は立っているのもやっとなくらいで、神童は喋る余裕も無い。
「セカンドは終了。ファーストは水分を補給したら集合」
監督の声が響く。どうやら俺たちはここで終了らしい。
「神童、行こう」
「あ、あぁ」
普段より遅いペースで部室まで歩く。
「今からファーストはまだ練習があるんだよな…」
ボソッ、と神童が呟いた。ちらっとグランドを見るとファーストチームの人たちがボールを蹴っている。
「なあ、霧野。頑張ってファーストチーム目指そうな」
「あぁ、もちろん」
そう答えると神童は嬉しそうに笑った。
「そのためにはまずセカンドの練習に慣れないとな」
俺がそう言うと神童は苦笑した。
「でも、霧野と一緒なら頑張れるよ」
「俺も、神童と一緒だから頑張れる」
一人より、二人で頑張ろう。
2011/08/02〜17
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