天拓


「俺はキャプテンが大好きです」

そう言って少し必死そうな顔をして俺に告白してきた天馬を、とても可愛いと思った。後輩に慕われるというのは、何だか物凄くくすぐったいけれど、同時になんだか嬉しかった。


初々しい話


告白されてから一週間。つまり付き合い始めてから一週間が経った。その間にした事と言えば、こっそり手を繋いで帰ったぐらいだ。(至って健全なお付き合いだ)

「キャプテン、一緒に帰りませんか?」

天馬は部活が終わると直ぐに俺の横に来る。そして俺が支度し終わってから一緒に帰る。それが最近の日課だった。二人で並んで歩いて、人通りの少ない道になると手を繋ぐ。今だに手を繋ぐのは馴れなくて、ほんのり赤くなる頬を天馬に指摘された時は、夕日のせいだと答えておいた。

「それで、葵が…」

天馬がクラスでの出来事を話している間、俺は必死に天馬の話を聞く。俺が天馬と同じクラスになることなんて絶対あり得ないから、その分話を聞いて天馬の体験した事を俺も知りたいなんて思う。



「じゃあ、また明日な」

「あ」

いつもの場所で別れようとすると、天馬が、待ってください、と言った。俺は不思議に思って首を傾げた。

「キャプテン、俺」

キャプテンにキスしたいんです、と真顔で言われた。瞬間、顔が熱くなる。嫌じゃない、嫌じゃないけれど恥ずかしい。天馬は、ダメですか、と悄気た顔をした。

「ダメじゃない」

俺が羞恥に絶えながらそう言うと、天馬は笑顔になって、それから俺の腕を引いて唇同士を重ねた。





30分クオリティー。今日は天拓の日だと気づいたのが11時。何とか今日中にupできてよかったです

2011/08/09










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