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side天馬
「あれ、三国先輩どうしたんですか?」
俺がキャプテンに聞くとキャプテンは、保健室、と答えた。
「様子見に行かないんですか?」
「南沢さんがいるから」
「え、…あぁ」
キョロキョロと周囲を見渡すと、確かにこの場に南沢さんもいなかった。
「音無先生に頼まれた、ってさっき車田さんが」
そう言ってしゅんと悄気るキャプテンに少しだけ苛ついた。行きたいなら行けばいいのに、なんて思った。キャプテンには行動力が足りないと思う。
「ほら、練習始めるぞ」
そう言って俺の傍から立ち去るキャプテン。けれど案の定練習中はミスだらけで、頭に三回くらいボールをぶつけては、その度に霧野先輩に心配されていた。(霧野先輩も健気だと思う)そしてあっという間に部活終了。結局最後まで南沢先輩は部活に来なかった。
「キャプテン」
帰ろうとしているキャプテンを呼び止めた。
「なんだ?」
「保健室、いった方がいいですよ。頭にたんこぶできてます」
「これくらい、大丈夫だ」
「霧野先輩も心配してましたよ」
「でも、保健室は」
「いいから行ってください」
乗り気のないキャプテンの背中を押して、無理やり保健室の方へ押す。するとキャプテンは諦めたように笑って、行ってくる、と告げた。俺はキャプテンがしっかり保健室に向かうのを見てから帰路についた。
(貴方の後ろ姿は頼りないのでつい押したくなるのです)
2011/08/04
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