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side三国


「好きだ」

と、南沢が言った。この場合、友達としてとか、仲間としてじゃなく、恋愛的に好きだと言う意味なのだ、と恋愛に鈍感だと言われる俺でもわかった。

「…っ」

南沢がここから立ち去ろうとするのを、腕を掴んで止めた。驚いてこちらを振り替える南沢の目には涙が溜まっていた。

「待ってくれ」

南沢が俺を好き、とは考えたこともなかった。好き、と言われて嫌悪感はわかなかったけれど、俺は南沢を恋愛的に好きではなかった。だけど、こんな悲しそうな顔の南沢を放っておけなくて、思わず抱き締めてしまった。

「ごめん」

「…謝るなら、抱き締めんなっ」

そう言いながら、南沢が俺の背中に手を回す。南沢は俺の肩に顔をうずめて、嗚咽し始めた。俺はそんな南沢を黙っている事しかできなかった。

「三国」

「何だ?」

「お前の事諦めるから、…キス、して。」

南沢が俺の目をまっすぐ見て言った。そんな南沢の頼みを俺は断る事ができなくて、ゆっくりと顔を近づけて、キスをした。

「ありがとう」

そう言って南沢はまた泣き出した。

(ごめんな)





南沢のターン終了。次からは拓人のターン

011/07/31










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