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side浜野


部活が終わると大抵速水と一緒に帰る。二人並んで談笑したり、人通りが少なければ手を繋いだり。毎日飽きないな、と誰かに言われた事があったけれど、飽きるはずが無い。好きな相手と一緒に居れることは、本当に幸せな事だから。

「そういえば、今日の部活神童の目真っ赤だったな」

俺がそう言うと速水は頷いて、泣いてたのかな、と言った。

「きっと三国さんの関連の事なんでしょうね」

「それで霧野があやしていたんだろうな」

「報われないね」

「神童鈍感だからな」

「霧野もヘタレだしね」

霧野も、あと倉間もなんだか可哀想だと思った。好きな人に片想いって、きっと辛いんだろうな、なんて考えたら、なんだか悲しくなってきた。

「皆の恋が叶えばいいのにな」

なんて俺が柄にも無いことを言うったら速水は苦笑いした。

「無理ですよ」

「わかってるさ」

だけど、片想いなんてなければみんな幸せなんだろうな、なんて思ったんだ。

(両想いだけの世界ならきっと幸せなのに)




2011/07/20









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