三期の一土
君と眠る日
トントン、とドアがノックされた。こんな夜遅くに訪ねて来る奴は、一人しかいない。俺が鍵を開けてドアを開くと、予想していた人物、一ノ瀬が抱きついてきた。その衝撃で後ろに倒れそうになるのを何とか堪えた。
「一ノ瀬、どうし…、んっ」
どうしたんだ、と言い終わる前に一ノ瀬がキスしてきた。急の事で息する事ができず、すぐに酸欠になって、一ノ瀬の背中を軽く叩いた。すると、一ノ瀬は唇を離してもう一度俺を強く抱きしめた。俺はどうしたらいいのかわからずに、ただ一ノ瀬の背中に腕を回して、同じように強く抱きしめた。
いつまでも入り口で抱き合っているわけにはいかなかったので、一度部屋に入って並んでベッドに座る。
「急に土門に会いたくなって、来ちゃった」
そう言って、片目を瞑ってウィンクをした。こういうとこは可愛いんだよな、と思っていると一ノ瀬がもぞもぞと俺のベッドに潜り込んだ。
「土門、一緒に寝ようよ」
「は?」
「ほら、早く早く」
トントン、自分の隣を叩いて俺に寝ろと一ノ瀬が催促するので仕方なく隣に寝る。そうしたら一ノ瀬が俺の顔を見て微笑んだ。
「土門と顔ちかーい」
一ノ瀬はいつもよりテンションが高くて、燥いでいた。
「土門、おやすみのキスして」
「は?」
「折角同じベッドに寝てるんだからさ」
自分の口を差して、またウィンクした。俺は一ノ瀬のこの顔には弱いらしい。ちゅ、と軽く触れるだけのキスをする。
「俺からも」
今度は一ノ瀬がキスをする。遠慮なく口内に入ろうとする舌を全力で阻止しておいた。
「明日も早いんだからさっさと寝るぞ」
「土門の意地悪」
文句を言う一ノ瀬の頭をポンポンと軽く叩いて、また今度な、と言うと一ノ瀬は渋々納得した。
「ねぇ、ねぇ」
眠ろうと目を瞑ったら、一ノ瀬の弾んだ声が聞こえた。何事かと思って目を開けると目の前に一ノ瀬の顔。
「愛してるよ、飛鳥」
いつになく真剣な顔で囁かれて、顔も耳も紅くなっていく。
「俺も、愛してるよ」
そう言い返したら満足そうに笑った。
久々の無印!!砂吐きそうなくらい甘いです。二人はいちゃいちゃしてればいいよ!!
2011/07/26
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