愛と自由と狂気を混ぜて2で割った物 | ナノ
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―キルア視点―


「ねぇお姉さん、さっきの飴なんだったの?」


突然ゴンが隣を走っていた女に話しかけた

コイツ、確かさっき男に飴を渡して何かした奴だ


「…んー?何のことかにゃ?」


女は惚けて何のことかわからないって顔してるけど、嘘だ

俺も嘘吐きだからわかる

コイツは最悪の嘘吐きだって


「…ごめんね、企業秘密なんだ」


「えーっ!!」


ゴンもしつこく聞くけど女は当然の様に教えない

当たり前だろう、俺にはわかる

コイツは俺と同じ同類、人殺しだ

血の臭いがスッゲェ臭う

そんな奴が簡単に自分の手の内を明かすはずが無い


「しいていうなら私は不思議なお菓子を売るお菓子屋さんってことかな?」


「へー、そうなんだ!!」


「おいゴン、真に受けんなよ、そんな奴居るわけ無いだろ」


ゴンが普通に女の言葉を間に受けていたのでズッコケそうになった

んなわけねぇだろ!!なんだよ不思議なお菓子を売るお菓子屋さんて!!

怪しさ満点じゃねーか!


「おや、少年私の言葉が信じられないだなんてなんて心が狭く夢もなく将来もなくお先真っ暗なんだ」


「おい、そこまで言う必要ないだろ」


「そんな君にこの幸せになれるキャンディをあげよう!!」


「悪徳商法か!!」



女の言葉にイラ付いてつい手套を落としてしまう

って、しまった!!こんな所で手を切ろうとするだなんて!!

そう思い慌てて女の手を見ると、女の手は何事も無かったかのようにそのまんまだった

…おかしいな?俺結構本気でやっちまったんだけど


「何すんのさ!言っとくけど本当に幸せになれるんだからね!ちょっと頭が逝っちゃって見えない物とか見えたり記憶中枢トチ狂うけど!!」


「明らかにそれ薬だろ!!」


女の言葉に苛立ち、再び手套を落とそうとすると避けられた

ちっ、避けられたか


「お姉さん凄いね!!俺の名前はゴンって言うんだけどお姉さんは?」


ゴンが俺の攻撃から避けた様子をみてキラキラした目で女を見る

うっ、なんかコイツの目を見てるとつくづく本当に自分がまともじゃないって思う


「私の名前はチイ、気軽にチイちゃんて呼んでいいよ、ゴン」


「…何がチイちゃんだよ、ババァ」


チイちゃん発言がキモくて、ついババァといってしまう

そういやぁ、コイツ何歳なんだ?

少なくともレオリオぐらいはありそうだけど


「ほー、まだピチピチなお姉さんをババァ呼ばわりする悪い子はこの銀髪頭のふわふわ少年かな?」


「うわっ、な、何するんだよ!!」


走ってる途中で突然女に足をすくわれ逆さの状態にさせられてしまう

うわっ、まさか俺が足をすくわれるだなんて!!


「お姉さんはまだぴちぴちだすよーだ!!」


「そういう発言がババァくせぇんだよ!!」


……コイツ、スッゲェイラつく
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