3ページ/5ページ
個室に入り、備え付けてあったソファに座る
おー、意外と座り心地が良いです、さすがハンター協会の備品といったところでしょうか
私の反対側にクラピカさんが座る
他の皆は空気を読んでか、ドアの近くから動かない
「……まず、始めに聞いておく…お前は五年前のクルタの襲撃に参加していたか?」
赤い冷たい目が私を貫く
「んー、残念ながら私が旅団を抜けたのは六年前なんです、ですから参加はしてませんね」
そう、私が抜けたのは六年前
どう考えたって五年前の襲撃に参加する事はできない
「………お前は、本当に」
「はい、私は元幻影旅団の4です」
ほら、といって蜘蛛の入墨を見せ付ける
「とは言っても元なんですけどねー、あー、今思い出してもムカつくなー、あの野郎」
「…チイは、なんで旅団を抜けたの?」
今までずっと黙っていたゴンが漸く口を開く
あー、そこ聞きますか、聞いちゃいますか
さすがゴンですねー
「んー、旅団に入るにはですね、前居た団員を倒すか、抜けがあった時団長が推薦するか、二通りの入り方があるんですよ」
クルクルと置いてあったボールペンを回す
「それである日ですね、1人の男が旅団に入りたいって言ってきたんですよ、それで誰と戦うのかって話になった時、ソイツは4番に入りたいって言ったんです」
クルクルクルクル
「それで戦ったんですけどねー、正直言えば飽きちゃったんです」
「飽きた?」
「はい、だってソイツめっちゃ弱かったんですよー?だから私だんだん飽きてきちゃって、それでどうしたら楽しくなるかなーって考えていた時なんです」
ピタッ、ボールペンをまわすのをやめる
「私を死んだ事にすればいいって!!」
「それで私が死んだと偽装したんです」
「最高でしたよ」
「まさか私が死ぬなんて思っていなかった団員達のあの表情」
「信じられない、ありえないって顔をして」
「この世の絶望でも見たかのような顔」
「信じていたものに裏切られる瞬間」
「今思い出すだけでも興奮してきちゃいますよ!!」
淡々と
感情なんて一切込めずに言う
「でもまー、ソイツはどっちにしろ今でもムカつくから殺そうとは思いますけど」
- 28 -
[*prev] | [next#]