解読不可能暗号






光を抜けると、そこは森だった。

多分、先程の場所から少し離れたところに飛ばされたのだろう。

空気の質が変わらない。

「おい、待てよ悠月!」

そう清正に叫ばれ、彼と共に今回の件を調査していることを思い出した。

『相変わらず、あんたは熱くなると周りが見えなくなるらしいな。』

六合は溜め息をついた。

「…そうだね。」

三夜は苦笑しながら、ぽつりと同意した。

「申し訳ありません、清正。私、熱くなると周りが見えなくなる質みたいでして…」

三夜は足を止め、清正が追い付くまでまった。

「……それだけ村人が心配ってことだろ?それ自体は良いことだと思うぞ。」

そう言い、清正は三夜の頭を撫でた。

「清正…?」

突然の行動に三夜は驚き、ぴくりと肩を震わせた。

「悪い。」

その三夜の反応に清正は手を引っ込めた。

「つい弟のように見えてな…。」

弟という言葉に三夜は、ほっ…と息を吐いた。

突然、ばきり…という音がした。

二人は反射的に其方に武器を構える。

「旅の方、助けてくれねぇか?おいら達、あの異形のせいで村に戻れなんだ。」

姿を現したのは質素な衣に身を包んだ村人だった。

「分かった、俺達が村まで送り届けよう。」

秀吉様の民は俺が守る。

続けて清正は小さくそう言い、拳に力を入れた。

三夜はその様子をそっと見ていた。

清正と三夜は出くわす事に異形を倒していった。

村人達も無事全員、この森の出口に連れてくることが出来た。

村人の代表らしき男が一歩前に出て口を開いた。

「旅のお方!さっきは、ありがとうごぜえました。最近、ここいら一帯には今みたいな化け物が出るんです。この先はもっと危険です。お気をつけくだせえ。さっきも、若いお侍さんが一人でこの先へ行っちまったが…大丈夫だろうか。」

清正と三夜は村人に別れを告げると、その場を立ち去った。

「その若いお侍さんは今回の事件の真相を知っていそうですね。」

「あぁ、そうだな。幸い、ここは一本道だし捕まえて話を聞くとするか。」

こうして二人は謎の侍を探すことになったのだった。


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