黒歴史 | ナノ

「もう、精市、弦一郎!名前も嫌がってるんだし、無理に誘うのは良くないよ!」
「フタ子こそ強引に誘って最終的に乗ったじゃないか。俺たちは名前が承諾するまで諦めるつもりはない」

 絶賛付きまとわれ中の私です。あれだけフタ子をデレデレ追いかけまわしていた奴らが、日が変わった途端突然私を追いかけ始めるだとか意味が分からない。いい加減同じ展開は面倒だと思ったけど、さすがに付きまとわれるのは嫌だ。誰だよ、変な気を使った奴は…。
 そして、夢小説ではよくある「マネージャーになれ」攻撃。気持ちが悪い。気味が悪い。いつの間にか赤也まで加わって、鬱陶しいったらありゃしない。突如としてあれだけベタベタされていた虫どもがいなくなったフタ子はフタ子で、寂しそうだったりで。私に気を使っているのか、自分への注目を取り戻したい一心なのか。…ああ、勝手に名前で呼ぶな。気色が悪い。

「興味ない」
「…フタ子はそんな冷たいこと言わんに」
「私、フタ子じゃないし」
「わかってるって。名前、だろい?」
「…………」
「無視はよくないな」
「でも、そういう媚びないところが新鮮っすね」
「むしろ好ましいと言いましょうか」

「ね、ねえ、本当にみんなどうしちゃったの…?」

 あーあ。瞳が潤んできちゃったよ。自分たちのお姫様を泣きそうなのに、この男共と来たら。

「もう一度聞くよ。名前、俺たちのためにマネージャーになってよ。というか、なるよね?」

 素敵な笑顔でいらっしゃる幸村さん。後ろにドス黒いオーラ?暗黒微笑?だけど、私はそんなに甘くはない。バカ共のために働く気などそうそうないし、黒歴史ゆえに関わりたくもないのだ。はい、残念でした。

「ならない」

 同じく笑顔で返してやった。その時の幸村の衝撃を受けた顔、後ろのレギュラー陣の「まさか」って表情が、なんだかたまらなくおかしく思えた。次目を覚ました時には元に戻っているのだろうか。はあ。



23082013 一万打企画

ゆかこさま
「逆ハ主と立場逆転」

リクエストありがとうございました!

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