黒歴史 | ナノ

「苗字さん、良かったらお弁当一緒に食べない?」
「あ、ごめんね。妹に誘われてるから」

 ただ、さっきから嫌な予感しかしない。フタ子と弁当ってことは、なんかさ、もしかしたらさ、もしかしなくてもさ……。


「紹介するね!こちらは、私がマネージャーをしている男子テニス部のレギュラー。で、こっちが私の双子の姉の名前でーす」

 予感的中!油断大敵!ひぃ!

 私の目の前に広がる地獄。朝会った真田と仁王だけでなく、幸村とか柳とか柳生とかブン太とかジャッカルもいる。赤也は学年違うせいかいないけど。全員揃ってるんですけど。勢揃いなんですけど。
 各々が自己紹介していく。いや、既に知ってるんですけどね。シクヨロと言われたってね、中学時代の私なら発狂ものですけど、イライラするだけですから。本当に何なの?やめて欲しい。

 そして、わかったこと。妹のフタ子は、やはり、レギュラー陣にちやほやちやほやモテモテであること。逆ハーレムです。正直恐いくらい、というより気持ち悪いです。いちいち、可愛いね、だとか、甘い口説き文句は砂吐きたくなるんです。

「フタ子のからあげうまそー」
「欲しいの?」
「うん。あーん」
「ちょ、ちょっとブン太!さすがにそれは恥ずかしいよ…」
「あーん?」
「……あーん」


 跡部ごっこは他所でやれ。
 ガキは、帰って寝んねしろ。

 そういう私を一番に帰してくれ。お願いだから。

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