黒歴史 | ナノ

「名前ー朝だよー!早く起きないと初日で遅刻しちゃうよ!」
「ファッ!?」

 さてさてやって参りました。これで何度目の朝なのかなあ。毎度毎度飛び起きるってのは心臓に悪いよ。繰り返しているとはいえ、寿命の減りは確実に積み重ねられているはず。

「おはよー名前!朝ごはんもう出来てるよっ」
「はい、ありがとう」

 昨日は仁王という希望が現れたけれども、昨日の仁王が今日いるという確証はない。お願いだから昨日の仁王でいてくれよ、と願いながら朝食を取る。何度目かのフタ子の話は軽く受け流す。私には考えなければならないことがいっぱいだ。考えても答えのでないことばかりだけど。

 そういえば…………?

 いつも、最後の時、フタ子は何を言おうとしているのだろう。
 あれが、繰り返しのヒントなのか?繰り返しのキーパーソンは、やっぱりフタ子なのだろうか。

「名前!食べたら早く制服に着替えて!本当に遅刻しちゃうよー」
「あ、ごめんごめん」


 わからない。頭使ったところで、どうせ理不尽な出来事ばかり起こるんだろうなあ。主にテニス部レギュラーのせいで。

「さ、はやく着替えないとね!」
「うん」


 最後、仁王は何を考えていたのだろう。だから、是非とも彼には覚えていてもらいたいものだ。あと、昨日殴った赤也に効果は出ていたりするのかなあ。



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