黒歴史 | ナノ

 立海男子テニス部ミーティングが終わるのを待っていた。三日目ともなると、あやふやながらも帰る道は一応わかっている。が、それでも待っているのは、もちろんマネージャーフタ子のためではなく。

「で、次は何が起こるんじゃ?」
「鬱陶しいワカメが来る」

 仁王。昨日まではこの時間に会うこともなかったが、そろそろ一日も終わる。これからどうするか、解決方法はまったく見当がつかないものの知っている者同士で集まるしかなくて。


「ふーん、アンタが……」

 とはいえ、ゆっくり話し合う時間はない。
 そう、私の苦行の時間。殴りたい、このワカメ。
 仁王はいつの間にか私から距離を取っていて、赤也には気づかれていなくて。それなのに、口パクで「納得」だか「ナルホド」だか言ってくる。

「見た目はフタ子センパイそっくりっスね!さすが双子〜」

 嫌がっているのがわかるのなら、どうにか助けてよ。仮にもモジャ男の先輩なのだから。という想いを込めて、思い切り睨む。うわ、口笛吹く真似しやがった。腹立つ。

「無視かよ。可愛くねー女」

 仁王に夢中でいつの間にか無視してしまっていた悪魔くんの方は、どうやらご立腹らしい。こっちだって腹が立っているんだけど。まあ、初日のようにそのまま立ち去ってくれればいい…と思っていたら、彼は突然動きを止めた。なんてことだ。後ろから仁王に羽交い絞めされたではないか。
 仁王はニヤリと笑む。

「一遍殴っとくか」
「赤也にキレられんの嫌だよ」
「そこはフタ子のフリでもして、ごめんねって首でも傾げれば一発じゃろーて」
「いい歳してあれは出来ないかな」
「ちょ、ちょ、あんたら何言ってんすか?仁王先輩も!早く放して…」

「名前、この生意気な後輩を心置きなく制裁しちゃって構わんぜよ」

 イエス、サー。

「え??……は?ちょ、待っ」
「待たない」

 頭の追いつかない赤也氏はもう完全に無視で、私の力・怨念・ストレスを込められるだけ右拳に込めて、…………。

「や、やめっ………!!!!!!!」


 いただきました。ごちそうさまです。お粗末様です。

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