下着を見られるなんて予想外すぎる展開…恥ずかしい。恥ずかしすぎる!とはいえ、下着見られただけで昨日から何の進展がないのが現状。辛すぎる。
三度目の作業を再び繰り返し、とぼとぼと廊下を歩く。もうどうしようもないんじゃなかろうか、泣けてきた。このまま永遠に繰り返して、私が精神的に病んでエンドなんて……笑えない。つらい。
と、考えていると、突然後ろから腕を掴まれた。
ああ…仁王か……。そうだ、昨日も一昨日もそうだった。今日も、きっと明日もそうなのだろう。わかった…わかったから、ちゃんと撃退してやる。
昨日と同じように、そのままグインと引かれる前に自分の身体を反転させ、同時に肘を引いて力を溜めた右拳を、相手の腹へと真っ直ぐ、ストレートを決め込んだ。
「っ…」
はずだった。
それなのに何故か私の右手は掴まれて、阻止されていて。
「今日はそうやられんきに」
「え?はっ!あ、あんた、私を覚えて……!?」
「こんな暴力女を忘れる方がおかしいぜよ、名前」
「ちょっと雅治!名前に何してんのよー!?」
唖然。ニヤリと笑う仁王と動けない私の後ろからやって来たのは、三日間とも変わらない高い声。
「フタ子、嫉妬か?」
「違うよ!名前、雅治変態だから変なことされてない?」
「え……あ…………えっと?」
な、何がなんだかさっぱりわからない。仁王が昨日と同じように動かなくて?私の名前を呼んで?私を覚えて……?
私は、非常に混乱している。