さて、一日の終わりが来る。
結局、誰も何にも覚えてなくて。手掛かりも何にも掴めなくて。むしろ、黒歴史が繰り返してるんじゃなくて、私が昨日に戻っただけのような気もする。はあ、これからどうしようか。この道を何度通ることになるのだろう。突然繰り返しもトリップも終わりを迎えたりするのだろうか。帰り道をフタ子と歩きながら、考える。
「フタ子」
フタ子を呼び止める声。威圧的で、しかし静かな幸村の声。真っ直ぐとフタ子を見つめる彼。よく見たらやたら綺麗な顔。
一方のフタ子は、やはり蒼白な顔で固まっていた。
「今日一日ずっと避けてただろう。…逃げるなよ」
フタ子の肩が揺れる。
「俺を、見ろ」
私はフタ子に腕を引かれるまま。流されるまま。そろそろ来るで有ろう繰り返しの終点について考える。
立ち止まって、私に泣きすがって、そうして、きっと一日が終わってしまう。何ら変わりはないんだもの、恐らくまた繰り返されるのだ。
「私、どうすればいいのか、わかんないよ…っ」
私は、どうしたらいいの?
「私、私が好きなのは……」
ぐらり。目眩と、暗転。