「苗字さん、良かったらお弁当一緒に食べない?」
「あ、ごめんね。妹に誘われてるから」
どうするか迷った。どうせ昨日の繰り返しだし、あのイチャイチャの集まりに行く必要はない気もする。ただ、何か、この繰り返しの解決の糸口か、又はもとの世界に戻れる方法。昨日との差違が見つかるのではないかと。少し期待していたわけだが…。
「紹介するね!こちらは、私がマネージャーをしている男子テニス部のレギュラー。で、こっちが私の双子の姉の名前でーす」
昨日のまんまでした。はあ。
再び私の目の前に広がる地獄絵図。フタ子は、やはり、レギュラー陣にちやほやちやほやモテモテであり、すごく…、逆ハーレムです。正直恐いくらい、というより気持ち悪いです。恐らく私の考えていることも昨日のまんま。
これ以上ここにいても仕方がない。丸井とフタ子の「アーン?」ごっこを見る前に、私は立ち上がった。
「ごめん、フタ子。ちょっと次の授業の用意とかしたいし、先に教室帰るね」
フタ子はついて来ようとしたけど、丁重にお断りしたし、他の連中は私にまったく気にする素振りもなかったので、うまくそこを抜け出せた。