私、苗字名前。設定はどこの誰が考えたのかわからないけど、非常につまらないものなので以下略。
そして2度目の登校中もフタ子は私の黒歴史を再び語る。とはいえ二度目はただ聞くだけではなく、ちょっと茶々を入れてみた。…自分が虚しくなるだけだった。
どんよりする気分を何とか振り払い、再び校門を跨ぐ。
「そこ!スカートが短い」
突然キーンと耳鳴りするほどうるさい怒鳴り声が聞こえた。うわ、完全に忘れてたよ。
「わ、見つかっちゃったよ」
「苗字か…」
……真田か。やっぱりいるのか。やかましいわ。同じパターンとかないわ。やかましいわ。
「お前はいつもいつも、そうふしだらな格好を。隣にいる苗字を見習わんか!スカートの丈はもちろんのこと、第一ボタンまで……って、苗字が二人ィィィ!?!?」
だから、何度もやかましいっての。さて、そろそろ鬱陶しい野郎から逃れるアレが来るはずだな、と、フタ子と真田のやり取りはそっちのけで、昨日の出来事を思い返す。
ブワ。待っていた突風。髪が荒れ、真田の動きも少し止まるが、その隙に私はフタ子の腕を取って、共に駆け出した。
「待たんか!!」
真田の怒声も聞こえるが、気にせず走って逃げた。
「えへへ、名前が弦一郎から逃げるなんて思わなかった」
「まあね」
「やっぱり、双子なだけに以心伝心?」
二度もあの真田の間抜けな顔を見るのも嫌だし、そもそもこれからの行動は予想済みだったから。とは言わないけれど、やはり同じ出来事が繰り返されているという確信は持てた。
いや、どうすんのよ。